吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

【サ行】の作家

無人の兵団 ― AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争

著者:ポール・シャーレ翻訳:伏見威蕃出版社:早川書房 ネットが繋がらなくなって焦った週末。綱渡りで仕事に影響がなくてホント良かった。 近頃何かにつけてAIが取り沙汰されるが、ターミネーターのような世界がいずれ来るのだろうか?と考えたことがある…

サイバー完全兵器 -世界の覇権が一気に変わる-

著者:デービッド・サンガー翻訳: 高取芳彦 出版社:朝日新聞出版 アメリカだけが最先端のサイバー兵器を駆使しているわけではない。ロシア、中国、イラン、北朝鮮等、アメリカにとっての脅威は増大する一方だ。もちろんそれは日本をはじめとする世界のどの…

最初の悪い男

著者:ミランダ・ジュライ翻訳:岸本佐知子 出版社:新潮社 43歳独身のシェリルと20歳の巨乳で足の臭い上司の娘、クリーの共同生活は過激で噛み合わず、どう展開するのだろう。 その一点の興味だけで最後まで読み切った。ほぼ妄想だらけで何事においても痛い…

「サ行」の作家

【サ】●ロベルト・サヴィアーノ死都ゴモラ---世界の裏側を支配する暗黒帝国●サキサキ短編集レジナルド●アーネスト・サトウ一外交官の見た明治維新【シ】●フェルディナント・フォン・シーラッハ犯罪罪悪コリーニ事件禁忌カールの降誕祭テロ●フランク・シェッ…

兵士はどうやってグラモフォンを修理するか /サーシャ・スタニシチ

伊藤計劃の作品には時代こそ違うが旧ユーゴスラビアで起きた事を下敷きにした舞台装置があり、それを傭兵の目線で描いている。伊藤作品(虐殺器官や短編)には、生きるために兵士となる子供たちの目線で描く作品はあったがしかし頭を撃ち抜かれ、轍に倒れて…

元気なぼくらの元気なおもちゃ ::ウィル・セルフ

ウ~ン、題名とはうらはらの内容。奇想コレクション読破まであとわずかとなってきてだいぶ慣れてたと思ったんですがいやはや侮れません。著者が子供の頃からやばいクスリにドップリ浸かった体験が十二分に発揮された作品にグッタリ。翻訳者も相当苦労したよ…

輝く断片 ::シオドア・スタージョン

奇想コレクション中、最多の3タイトルを占めるスタージョンも、これが最後。大事に積んであったのですが(笑)そろそろガマンができなくなりました。SFというよりはミステリ色が強かったです。 「取り替え子」は初読のはずですが既読感がありました。子供を…

蒸気駆動の少年 ::ジョン・スラデック

既存のタイム・パラドックスをあざ笑う表題作、スプラスティック・コメディ「古カスタードの秘密」、あの“四重奏”の荒唐無稽なパロディ「ベストセラー」、重力はないと“証明”する男の狂気を描く「月の消失に関する説明」、名探偵のサッカレイ・フィンやフェ…

グラーグ57(上下) --トム・ロブ・スミス

チャイルド44の続編である。前作はロシアの絶望的な環境がこれでもかと書き込まれ、重苦しさを漂わせながらもグイグイと引き込む力量を見せつけられ、堪能できました。3年後、モスクワ殺人課が創設され責任者に収まったレオが、フルシチョフのスターリン批判…

たたり --シャーリイ・ジャクスン

心霊学研究者モンタギュー博士は、幽霊屋敷として知られる「丘の屋敷」を調査するため三人の男女を呼び集めた。まるで意志を持つかのように彼らの前に怪異を繰り広げる「屋敷」。そして図書館に隠された手稿が繙かれ、秘められた過去が明るみに出るとき、何…

パイド・パイパー --ネビル・シュート

フランスの田舎道でパンクのため立ち往生したバスは、ドイツ軍の編隊の機銃掃射を受けて動けなくなった。これから先は歩いてもらわにゃあ―。老イギリス人は、やむなくむずかる子供たちの手を引いた。故国を目差して…!戦火広がるフランスを、機知と人間の善意…

海を失った男 --シオドア・スタージョン

魔術的な語りで読者を魅了する伝説の作家、シオドア・スタージョン。頭と左腕を残して砂に埋もれた男は何を夢みるか―圧倒的名作の表題作、美しい手と男との異形の愛を描いた名篇「ビアンカの手」、墓を読む術を学んで亡き妻の真実に迫る感動作「墓読み」他、…

ユダヤ警官同盟(上下) --マイケル・シェイボン

「BOOK」データベースより引用安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課…

ダブリナーズ --ジェイムズ・ジョイス

新潮社Webサイトより一部引用アイルランドの首都ダブリン、この地に生れた世界的作家ジョイスが、「半身不随もしくは中風」と呼んだ20世紀初頭の都市。そこに住まうダブリナーたちを通して描いた15編。最後の大作『フィネガンズ・ウェイク』の訳者が、そこか…

チャイルド44(上・下) --トム・ロブ・スミス

今年はじっくり本を読みたい、と言っていましたがさっそく一気読みしちゃいました。手綱を引いても止まらない感じでした。これがデビュー作で20代後半の人が書き上げたとは! 「BOOK」データベースより引用スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レ…

ボートの三人男 --ジェローム・K・ジェローム

去年の9月に買っていたのですがようやく読めました(笑)コニー・ウィリスの「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」を読んでから気になりつつ先延ばしにしてたのですが、今年中に必ず読むんだと決めていたのでギリギリセーフです…

深海のYrr(上/中/下) --フランク・シェッツィング

ようやく読み終わりました。3巻。全部で約1600ページ強!!ほぼ半月かかりましたが、自分としては頑張りました(笑)ページ数に圧倒されてしばらく熟成させていたのですがやはり夏といえば海、ということで。。。専門的な話しが多い割りに思ったよりもサクサ…

透明人間の告白(上・下) --H.F.セイント

なんだか集中力低下というかテンパってる。ぐるぐるしている。考えなきゃいけないことがいっぱいあるのに、ありすぎて整理がつかない。。。。なんて思っていたらこの本のこと思い出して、本日、現実逃避の、じゃなくて気分転換の読書感想第2弾を書き上げて…

人間以上 --シオドア・スタージョン

先日書いた ヒューマン・ファクター の感想の中で「人によって持っているパラメータは違う。読む人によって、当然でてくる解答(感想)は変わってくる。」と、書きました。実はこの「人間以上」こそ、この言葉が似合う作品なのではないかと思います。 学生の…