吉祥読本

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サイバー完全兵器 -世界の覇権が一気に変わる-

著者:デービッド・サンガー
翻訳: 高取芳彦
出版社:朝日新聞出版

 

アメリカだけが最先端のサイバー兵器を駆使しているわけではない。
ロシア、中国、イラン、北朝鮮等、アメリカにとっての脅威は増大する一方だ。
もちろんそれは日本をはじめとする世界のどの国にとっても同様だということ。
莫大な軍事予算が無くてもサイバー戦で対抗できる非対称的戦略は核兵器を持たない日本にこそ必要なのでは?
見えないモノによる兵器の無力化やインフラ破壊など、諸刃であることを見せつけることも必要なことなのだ。

 

自社サーバのログを見ると毎日攻撃されていることがわかる。
今のところ弾いているが、大規模な攻撃があればウチみたいなレベルでは防ぐ手立てはない。
土日になると攻撃が減るということは、どのような手法で何が起きているかは明白でしょう。もちろんそれは手法の一つでしかない。日本はどうもこの手の危機感が不足している気がしてならないが、政治家に期待しても無理かな。

 

周辺国との関係がうまくいっていない今、突然都市機能が麻痺することになったり、
飛来するミサイルを迎撃しようとした時に発射ボタンが反応しなかったり、
迎撃ミサイルが何故か国内に向かったりしない保証はどこにもない。
そして、こんな現実の中で生活しているんだと改めて思わされる一冊だった。


2019/9/10読了