吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2014年3月の読書リスト

消費税対応が終わってようやく一息。
でもこれから年度末までにって頼まれたのに待って頂いた作業を開始します。
ご協力頂いたいくつかの取引先の皆様に心より感謝致します。
そんな時にでも本を読んでしまって、申し訳ございません!

 

ところで、「殺人犯はそこにいる」は多くの人に知ってもらいたい作品です。
先日の袴田事件の再審決定も含め、警察、検察、司法は過ちを素直に認めることを切に願います。



 2014/3/6読了
 ::宇宙船とカヌー
 ケネス・ブラウアー
 フリーマン・ダイソンは天才物理学者として巨大な宇宙船を作って宇宙に
 飛び出したいと願い、息子のジョージ・ダイソンはカヌーを作って文明社会に
 背を向け自然の中に生きる。
 この一見相反する親子の二重の伝記。
 淡々と語られる二人の生き方は凡人にはエキサイティングでありながら
 退屈でもある。
 なぜなら彼ら天才の生き方自体は真似できるレベルではないが、
 父親と息子の微妙な関係性は自分のような凡人にも共通するもので理解できる
 ものだから。
 父親と息子の断絶とちょっと距離ある理解が、なぜか愛おしく思えてしまう。



 2014/3/12読了
 /殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
 清水潔
 ジャーナリストの調査では犯人が特定できているのに、ここまであからさまに
 検察が無視を続けるとは。本当に日本で起きているのかと唖然とする。
 冤罪で服役した人の人権よりも組織や自分たちの立場を最優先する組織を
 信用することなどとてもできない。
 それにしてもDNA型鑑定がここまで信頼できないものとは。。
 完全に情報操作されていた気分。
 別人を犯人だと思わされていた被害者家族のために、とにかく真犯人を
 逮捕してほしい。



 2014/3/17読了
 /第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち
 ポール・ケネディ
 第2次世界大戦で連合軍が枢軸国に対して戦局をどのように切り開いたか
 戦略、戦術、兵器開発、組織形態、人材など様々な要素を分析している。
 失敗をどのように生かし、問題点をいかに改善するか、
 現在にも応用できる視点を提示している。



 2014/3/21読了
 /二つ、三ついいわすれたこと
 ジョイス・キャロル・オーツ
 三人の少女たちの不安定さや闇や成長を描いている。
 「とうもろこしの乙女~」でも似たような状況が描かれていたが、
 痛々しい心理状況がオッサンにもヒリヒリ伝わってきた。



 2014/3/27読了
 /セラピスト
 最相葉月
 箱庭療法風景構成法など言葉は聞いたことがある程度の素人なので、
 とても興味深いものだった。
 セラピストとクライアントの関係を知るために、最相葉月が被験者として自らを
 さらけ出すのは勇気がいるなあとか、臨床心理学を学ぶために大学院にまで
 通ってしまうとか、ノンフィクションライターとしてのプロ魂に感心しながら
 読んでいたが、終盤の最相葉月の言葉に打ちのめされた感覚を覚えた。



5冊読了。
小説は1冊だけかあ。