吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2014年7月の読書リスト

とにかく暑い夏です。酷暑です。
本気で熱中症を心配している今日この頃。
日本の気候は変わってしまったんだなとしみじみ思う今日この頃。



 2014/7/4読了
 ::音楽は何も与えてくれない
 津原泰水
 津原ファンならば、これまでの作品の原点、背景を知ることができたりして
 楽しめる。
 関係ないが「バレエ・メカニック」を読んでいてもしや?と思っていたが、
 やはり近所に住んでいたことを知りちょっと嬉しい(今は違うのかな?)
 楽器はできないので正直追いつけないが、音楽に対する深い愛情を感じる。
 ポール&リンダ・マッカートニーとか聴いてたんだ~って、いろんな嬉しさがあって
 一緒に酒を飲みたい気分。



 2014/7/9読了
 ::動物農場
 ジョージ・オーウェル
 人間社会の本質を分かり易く描いている寓話。
 どんな組織であれ階層化は免れないが、さて、自分はどの動物なんだと考えて
 しまう。
 後半は本編よりもページ数が多い開高健オーウェル(特に「1984年」)に関する
 評論だが、時代を感じさせつつ読み応えがある内容。ちょっと難しいが。。



 2014/7/12読了
 /絶望の裁判所
 瀬木比呂志
 裁判所よ、お前もか。。。元裁判官だけあって事細かに内幕が書いてあるが
 うんざりする。
 根拠が示されず曖昧さを感じる箇所や、私怨も含まれているように読める箇所が
 いくつかあるが、概ね事実なのでしょう。
 読んでいてずっとブルーになっていて疲れた。



 2014/7/23読了
 /第五の権力---Googleには見えている未来
 エリック・シュミット/ジャレッド・コーエン
 Google自身の話ではなく、技術の進化がもたらす政治への影響、また新しい技術を
 利用した政治的活動の進化などが中心の内容で肩透かしを食らった感じ。
 特に目新しい内容でもなく、スノーデンファイルで暴露された数々の裏情報を
 冗長に証明しているかのように感じた。



 2014/7/26読了
 /なぜ韓国は中国についていくのか: 日本人が知らない中韓連携の深層
 荒木信子
 長い歴史を丹念に解析すれば韓国のことがよくわかる。
 わかりやすく纏まっているので納得の内容。
 そもそも韓国に対し日本人の感覚で「話せばわかる」などと期待してはいけない。
 個人的意見だが日本は対中国に外交力(ちょっと弱いけど)を集中するほうが
 効率的で、まともに韓国の言い分に取り合う必要性を感じていないのだが、
 本書を読んで、増々その思いを強くした。



 2014/7/29読了
 /誉れの赤
 吉川永青
 武田軍団の中でも「赤備え」と呼ばれる最強の部隊に所属した二人の男の運命を
 基本に、戦国の世の移ろいが描かれる。
 武田から徳川に主君を変えながら武士としてのプライドと農民として生きたい
 思いを、戦国時代の派手さを抑え、淡々としたストーリーに仕上げていて
 好感が持てた。



 2014/7/31読了
 ::悟浄出立
 万城目学
 もう少し砕けた作品集かと思いきや、かなり真面目な短編集。
 いつものマキメワールドでは心理描写を重ねるためか長い作品になりがちだが、
 本作はいずれも行間を読ませるような万城目文学とも言える趣き。
 中でも「父司馬遷」が良かった。
 本音としてはこれらの作品が今後の長編の卵であることを願っている。




7冊読了。