吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

恐怖の正体-トラウマ・恐怖症からホラーまで

著者:春日武彦出版社:中公新書 個人的に題名の印象と内容が違っていたので途中から気持ちを入れ替えて読んだ。 恐怖を定義するのは難しいし医学的、科学的根拠を示せるものではない。 よって、著者(医学博士・精神科医)の主観で語られるエッセイというと…

八月の御所グラウンド

著者:万城目学出版社:文藝春秋 京都を舞台にした女子高校駅伝と草野球大会でのちょっと不思議な青春物語が2作品。 短篇「十二月の都大路上下ル」は方向音痴の1年生が駅伝中に見かける新撰組の コスプレ集団が現れなければ普通に爽やかな作品。 中編の表題…

剣、花に殉ず

著者:木下昌輝出版社:KADOKAWA 宮本武蔵の最後の相手とされる雲林院弥四郎(うじい やしろう)と 熊本藩主細川忠利の友情がメインの話し。 忠利を守りながら独自の剣の道を求める弥四郎は 戦場で出会った宮本武蔵といずれ剣を合わせることを希求している。…

夢分けの船

著者:津原泰水出版社:河出書房新社 津原泰水の最後の作品ということもあり、じっくり読み込んだ。 上京して音楽の専門学校に通い始めた主人公。 彼を取り巻く友人や知り合いになった人々との交流が描かれるが、 そこにホラーを思わせるテイストが加わり、 …

教養としての歴史小説

著者:今村翔吾出版社:ダイヤモンド社 題名や出版元からビジネス書として読むことを意図しているようだが、 特に堅苦しくもなく、歴史小説をこれから読んでみようかなと思う人には 参考になるでしょう。 歴史小説と時代小説の違いを厳密に考えたことが無か…

災害の日本近代史-大凶作、風水害、噴火、関東大震災と国際関係

著者:土田宏成 出版社:中央公論新社 20世紀初期に起きた自然災害は日本のみならず世界中で起きていた。 災害の多い日本は海外から多くの援助を受け、海外による外交的意義に気付き、 徐々に海外に対する支援を他国同様政治化していくようになる。 かなりの…