吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

教養としての歴史小説

著者:今村翔吾
出版社:ダイヤモンド社

 

題名や出版元からビジネス書として読むことを意図しているようだが、

特に堅苦しくもなく、歴史小説をこれから読んでみようかなと思う人には

参考になるでしょう。


歴史小説と時代小説の違いを厳密に考えたことが無かったが、言われてみれば納得。

「教養」という言葉はちょっと大げさな気もするが、歴史に学ぶことは下手な

ビジネス書よりも役立つと常々思っているので共感することが多かった。

世代別に分けた作家さんと代表的作品の紹介は嬉しいが、

もう少しプロ視点での感想を増やしてくれればより嬉しかったかな。

紹介されている作家さんや作品はわりとオーソドックスだが、

歴史小説は長編が多いため実のところ避けてきたため、

知っているだけで読んでいない作品が多かった。

今更ながらだが、気にはなっていた作品が多いので

チャレンジしてみたいなあという気持ちが湧いてきている。

特に気になっている北方謙三「大水滸伝」シリーズは悩ましい。

だって「水滸伝」19巻、「楊令伝」15巻、「岳飛伝」17巻で合計51巻だもの。

時代小説としては楽しめることが分かっている今村翔吾の

羽州ぼろ鳶組」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズも

手を出すとヤバイと思って我慢している。(素直に読んじゃえよ)


どうであれ、歴史に興味を持つにはまず気になる人物に関する本を読めば、

あとは芋蔓式に興味は広がっていくもの。

歴史を知れば様々な分野への興味が広がるし、

SFをはじめ全く違う分野の本でも知識(情報)が案外役に立つことが多いので、

これからも歴史小説は肩肘張らずに読んでいきたい。