吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2014年4月の読書リスト

全集の1巻目を読んだのは確か1985年頃だったか。2014年にやっと7巻目を読了して制覇したラブクラフト
何と長い道のりだったことか。達成感はあるが、別巻があと2巻あるのでゆっくりと読んでいきたい。
相当気合を入れないと続かないと思う全集なので、時間はかかったがよくやったと自分を褒めてあげたい気分。



 2014/4/4読了
 /帰ってきたヒトラー(上)
 ティムール・ヴェルメシュ
 ヒトラーが現代に復活し、ヒトラー目線で見ることで現代社会の矛盾や病理が
 皮肉にも浮かび上がってしまう。
 真面目で変わらないヒトラーの情熱と、現代人の軽めな感覚から生じる会話の妙に
 思わず苦笑いしてしまうこと多数あり。
 下巻に続く。



 2014/4/5読了
 /帰ってきたヒトラー(下)
 ティムール・ヴェルメシュ
 下巻は一気読み。ヒトラー人間性を描き、笑える部分が徐々に減り、現代社
 への風刺が鋭さを増す。
 相変わらず閉塞感漂う日本もひとごとではないと、ヒトラーの心情や言葉に
 共感するたびに考えてしまう。



 2014/4/9読了
 /記者たちは海に向かった 津波放射能福島民友新聞
 門田隆将
 記者であることとそれ以前に人であること、未曽有の津波によって亡くなった
 人たちとギリギリ生き残った人たち。
 大事な人を喪って悲しみ、生き残っても葛藤し、それでもベストを尽くす人たち。
 ひとりひとりに物語があることを思い知らされる。
 そしてその物語はこれからも続いていくことを忘れてはいけない。



 2014/4/13読了
 ::時間の種
 ジョン・ウィンダム
 様々なバリエーションで読ませるが、共通するのは懐かしさ。
 先が読める展開が多いが、それだけ後の時代に影響を与えたと言えるSF短編集。



 2014/4/21読了
 /辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
 佐々木健一 
 若い頃は「三省堂国語辞典」で育ち、年齢を重ね、目に優しい「新明解国語辞典」を
 利用しているが、辞書にこれだけ個性があることに迂闊にも今まで全く
 気が付かなかった。
 読みながら何度も辞書を「読む」ために目を通し、初めて序文も読んでみた。
 編者そのままが反映されているかのような辞書。
 それまで持っていた辞書のイメージがまるっきり変わり、愛おしいものに思えた。



 2014/4/26読了
 ::ラヴクラフト全集7
 H・P・ラヴクラフト
 第一巻を読んでから制覇までずいぶんと時間が経ったが、ようやくここまで
 たどり着いた。
 別巻の上下巻も積んではいるが、一応ひと段落。初期の作品は読み易かった。
 一体どんな夢見てんだって突っ込みたくなる夢書簡なども含まれ、
 全集の最終巻ということを実感。



 2014/4/28読了
 ::イエロー・バード
 ケヴィン・パワーズ
 イラク戦争で普通の若者が体験したことは、こんなにも哀しく、残酷で空しい。
 メディアを前に階級の高い者が、前線で兵士たちをもっともらしく鼓舞したあげく、
 安全な後方で指揮するために立ち去る姿は
 「アメリカにおけるイラク戦争は国家レベルでの貧困ビジネス」であることを
 証明している。



7冊読了。