吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2018年9月の読書リスト

燃え尽きたよ・・・。そんな矢吹丈のような感じの9月でした。
疲れすぎて11万円台の銀行振り込みを迷いも無く11円で送金してしまった時の気持ち、
わかってもらえるでしょうか。
疲れきっているときの自分は信用できません。。

 

読書は3冊目標でしたが、結局2冊が限界でした。それでも上下巻合わせてかなりの
長編はその時間だけ仕事を忘れさせてくれるぐらいの力作。
まだ忙しさは続くけど、読書ペースも上げたい!
ようやく「ヤタガラス」を読み終えたけど、調子が出るには時間がかかりそう。



 2018/9/8読了
 ::星夜航行 上巻
 飯嶋和一
 待ちに待った飯嶋作品は相変わらず期待を裏切ることなく緻密かつ濃密な読書タイム
 を提供してくれる。
 徳川信康に仕える沢瀬甚五郎が貿易商となる経緯が描かれながら、信長の死、
 秀吉への天下移行、朝鮮出兵の様が淀みなく描かれる。
 最後まで飽きさせることなく読ませる筆致は流石。
 今までの作品同様、主人公がどんな状況でも爽やかな印象を与えるのは現実味に
 欠けるかもしれないが、こうであって欲しいと思う人物像に共感しながら読めるのは
 楽しいものだ。
 朝鮮出兵がかなり細かく描かれているが、後半はどのように展開するのか、
 非常に楽しみだ。



 2018/9/24読了
 ::星夜航行 下巻
 飯嶋和一
 かなり時間をかけ、ようやく読了。秀吉軍の朝鮮出兵がここまで描かれるとは。
 思っていたよりも出番が少なかったが、甚五郎の波乱の人生は時代の大きな流れの
 中の断片のひとつでしかないわけで、その中でどうすれば一瞬でも輝くことができる
 かを示唆しているかのよう。
 こういう描き方は飯嶋作品の特徴だが、もう少し甚五郎を深く描いても欲しかった。
 それにしても秀吉によって無意味な闘いを強いられ、降倭となった日本人が秀吉軍に
 対峙する様の虚しさに言葉が無い。




2冊読了