吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2014年5月の読書リスト

野次馬モードな月でした。



 2014/5/4読了
 ::まっ白な嘘
 フレドリック・ブラウン
 ニヤリとしてしまったり、ゾクッとさせるようなバラエティに富んだオチの数々を
 堪能させてくれる短編集。
 「世界がおしまいになった夜」「叫べ、沈黙よ」「闇の女」
 「キャサリン、お前の咽喉をもう一度」「むきにくい林檎」が好み。



 2014/5/6読了
 ::ヘミングウェイごっこ
 ジョー・ホールドマン
 ヘミングウェイの幻の原稿を捏造しようとする主人公とそれを阻止しようと
 現れるヘミングウェイ
 パラレルワールドで次々と展開される時間SFは、後半で怒涛の展開。
 軽快な会話とちょっとエロさを絡ませた、時間SFにしては読み易い部類の作品。



 2014/5/12読了
 /背信の科学者たち―論文捏造、データ改ざんはなぜ繰り返されるのか
 ウイリアム・ブロード,ニコラス・ウェイド
 素人なので近頃騒がれている小保方氏の件に関しては判断できないが、
 本書で何が起きているのかが理解できた気がする。
 歴史的に繰り返されてきた科学の世界における欺瞞、捏造、剽窃などの具体例を
 読む限り、本書は1980年代に出版されたものでありながら今に至るまで
 何ら変わらずに構造的問題を抱えている事は容易に推察できる。
 相当根が深い問題だが、科学業界だけではなく、他の分野でも同様の問題を
 抱えていることは確かだろう。無責任ななマスコミに踊らされている場合ではない。



 2014/5/18読了
 /寄生虫なき病
 モイセズベラスケス=マノフ
 人間とはかくも微妙なバランスで保たれていることか。
 寄生虫、細菌、ウィルスを退治することで別の問題が発生することは何となく
 分かっていたつもりだが、自閉症にまで繋がる具体例などには正直驚いた。
 過剰な清潔さが何をもたらすのか、ちょっと心配になる。



 2014/5/24読了
 /新解さんの謎
 赤瀬川原平
 「辞書になった男」が面白かったので読んでみた。
 「辞書になった男」で引用されていた語釈と随分かぶっているなと感じた。
 本書をかなり参考にしたのでしょう。
 桜庭一樹と編集者たちの会話が面白い読書日記シリーズを思い起こさせるテンポ。
 後半の紙にまつわるコラムは90年代ってこんなに遠い世界だったっけ?
 と思ってしまうくらい時代を感じさせる。
 奥付の後の「余白」ページにニヤリ。



 2014/5/30読了
 ::暴露:スノーデンが私に託したファイル
 グレン・グリーンウォルド
 国家レベルのハッキング、クラッキングはまだしも、新しく注文したパソコンやら
 通信機器にあらかじめバックドアを仕掛けて届けられたらお手上げだ。
 映画や漫画みたいな世界が現実に、大真面目に展開されている。
 自分は関係ない、などと思っているといつの間にか丸裸にされている時代に
 なっているのだ。



6冊読了。