吉祥読本

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穴の町

著者:ショーン・プレスコット
翻訳:北田絵里子
出版社:早川書房

 

町に関する本を書こうとしている作家志望の主人公が特に特徴のない町に住みつく。
活気がない廃れつつある町に住み続けている人たちの閉塞感が読み手にも感染してくる。
感覚的ではなく物理的に穴ができてくる町から都市へと向かう主人公。
忘れたくない思いとそれを捨てて行くしかない現実を表すかのようなシエラのカセットテープ。
作者の伝えたいことが何となくわかりそうだが消化不良。
最後の解説を読んでようやく著者の込めた思いが伝わってきた気がする。
オーストラリアの歴史に詳しければもう少し深いところを感じながら読めたのだろう。。


2019/9/1読了