吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

流星ワゴン --重松清

冊数は少ないですが、それまで私が読んだ重松作品とはタイプの違うものでした。
非現実的な状況設定ではあるのですが、それはただの装置にしかすぎず、
内容はとてもリアルな感情が表現されていたのではないでしょうか。

38歳は既に通り過ぎた私は同年代扱いにはしてもらえないかもしれませんが(ううう・・・)
まあ本人が同年代だと思っているので強行突破させてもらいます。
一概には言えませんが、これぐらいの年齢になってくると背負うものや直面する問題がシビアで、
かつ逃れられない状況が色んな分野で起きてくるものです。

そしてその中のひとつに「親子の関係」を考えないといけない状況に、
じんわりと、そして確実に捕捉されていることに気付きます。

と、同時に親の人生というものもぼんやりと考え始めることになります。


子供の頃には、親はただ、親でしかなかった。
尊敬の対象でもあったけど、ライバルでもあった。

ただ、親にだって人生があるのに考えてもいなかった。


自分の今の年齢のとき、親は何を考えていたんだろう・・・


まだ元気に好きなように生きてるけど、昔からあんまり会話はなかったなあ。
親子ともども不器用なんだよなあ。
「チュウさん」のように話せたらいいんだろうけど、無理かな。

ただ、親父の背中から色々と教わったんじゃないかな、とは思っている。

言葉がなくても、足りなくても、伝わってりゃいいかな・・・と、親父も思ってそうな気がした。・・・勝手ですが。

親父は幸せだったんだろうか・・・・(だから~まだ生きてるって!)


なんてことを取りとめもなく、本書を読んで考えました。