著者:エルビラ・ナバロ
翻訳:宮崎真紀
出版社:国書刊行会
マリアーナ・エンリケス「寝煙草の危険」と共に
スパニッシュ・ホラーと分類される本作だが、これをホラーと呼ぶには抵抗がある。
じゃあ何?と問われれば答えに窮する。
読んでいても何が書かれているのだろう?
という不穏な気持ちにさせられるだけでここで終わりなのか?
と唐突に突き放され途方に暮れる感じ。
その中でも表題作はある程度結末まで描き切っているため読み易かったし、
ウサギが増殖していく様の気持ち悪さが際立っていた。
ただ、よく考えるとウサギを島に放った男の気持ちの変遷のほうが怖いのかも。
いや気色悪さでは「歯茎」が印象的。
描写が生理的にちょっときついので多分読んでいて顔を顰めていた気もする。
自分の歯茎は大丈夫か?と不安に駆られる(苦笑)
耳から肢が生えてくる「ストリキニーネ」のようなある意味分かり易い
変な話しは好み。
【収録作品】
「ヘラルドの手紙」
「ストリキニーネ」
「兎の島」
「後戻り」
「パリ近郊」
「ミオトラグス」
「冥界様式建築に関する覚書」
「最上階の部屋」
「メモリアル」
「歯茎」
「占い師」
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