KGBの文書管理をしていたミトロヒンが機密書類を長きに渡り書き写し
イギリスに亡命、イギリスの諜報機関に提供した機密文書は膨大。
ソ連の対内外工作活動の具体的な方法や対象の広さには驚かされる。
日本の政治家周辺、マスコミにも相当数の工作員の存在が公開された。
今も宗教や中韓など、より多種多様な工作員がいるだろうことは容易に想像がつく。
CIAは当然いや公然か。日本のインテリジェンスに関しては不安しかない。
今もいくつかの組織に枝分かれてロシアを牛耳っているため、体質は変わらない。
ソ連一強だったようだが、徐々に欧米の諜報機関が力を付けることで
疑心暗鬼を生み、内部崩壊していく様は現状のロシアにも
今後再来するのではないかとも思うが、いかがだろう。
スパイ天国と言われて久しい日本が未だにこの分野に力を入れないのは
不思議で仕方がないのだが、日本に対する工作活動が相当効いているのだろうかと
邪推する。
政治家や官僚をはじめ、日本の将来を決めるのは日本だと当たり前の意識が必要だし、
勿論国民ひとりひとりが持つべき意識なのだが。
著者の軽さがちょっと気になったが、思いのほか読み易かったのでいいのかな。