吉祥読本

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あの頃、忌野清志郎と -ボスと私の40年

著者:片岡たまき
出版社:筑摩書房 


読んでいる間、頭の中ではトランジスタラジオや僕の好きな先生やスローバラードが

ランダムに流れていた。

RCの熱狂的ファンが事務所に就職し、衣装担当、マネージャーになり

身近で過ごすことができるなんて夢のようだ。

著者は自分の目線で素直な感情を言葉にしていて好感が持てる。

逆に身近にいることで感じる苦しさや葛藤も伝わってくる。

清志郎の照れ屋の部分や茶目っ気のある行動を見守る優しさも伝わってくる。

清志郎が亡くなった時のチャボの焦燥や、ボーナストラックのリンカさんの

語りにはグッと来た。

竹中直人さんの「らしい」文章から見えてくる長いスペシャルボーナストラックで

語られる清志郎の素顔も面白かった。


著者にとっては清志郎と過ごした時間と思い出は宝物。

ちょっとお裾分けしてもらった気分。


実は母方の祖先の墓と同じ区域に忌野清志郎の墓があり、

通るたびに手を合わせている。

特徴のあるお墓にはいつもお花が添えられているし、

決して交通の便がいいわけではないのに、大抵ファンらしき人がお参りに訪れている。

多くの人の心にあの歌やあの姿が焼き付けられているのだろうね。