初期から現在までの単行本未収録作品24篇。
比較的短い作品ばかりで1ページで終わってしまう作品もある。
だからと言って侮れない濃密さ。
皆川作品らしい情念とともに見事に浮かび上がる時代背景と空気感の描写は流石。
どう読んでいいのかわからない作品もあったが、
幻想的で妖しくて、ときに匂い立つようなイメージが湧いてくる。
魅力的な匂いには美味しい毒があるのだと思わされる。
およそ凡人がひねり出せないような独特の言葉の操り方がそう感じさせるのか。
若かりし頃から今に至るまで、よくもまあ平均点の高い作品を生み出せるものだ。