絲山秋子
著者:絲山秋子出版社:河出書房新社 精神病院からの脱出行を描いた前作『逃亡くそたわけ』から十数年が経ち、 花ちゃんとなごやんはあれからお互いに家族を持ち、偶然岡山で再会する。 前作から随分経過したが、方言を効果的に織り交ぜながらの会話は変わら…
著者:絲山秋子出版社:講談社 ジョルジュ食品という会社に、クセの強い社長の伝手で中途入社してきた 部長(=チャラ男)を巡るお話。 と言いたいところだが、チャラ男が主役という感じではない。 会社内の社員たちの視点で語られる様々な人間模様が次々と語…
今年の読了数は65作品で67冊。今年も印象に残った10冊を読了順で書いてみた。高野さんの名前が二つあるぞ。 ●恋するソマリア :: 高野秀行 (2015/2/16読了) ●宇喜多の捨て嫁 :: 木下昌輝 (2015/2/28読了) ●狗賓(ぐひん)童子の島 :: 飯嶋和一 (2015/3/29…
強い北風が続き過ぎ。寒いというか、痛い。 2015/1/5読了 /離陸 絲山秋子 慌ただしい年末年始にゆっくり読んだが、読んでいる間だけとても静謐な時間を 過ごしていたような気がする。 今までの絲山作品の「らしさ」がふんだんに散りばめられ、ミステリ(伊坂…
またまたご無沙汰しています。前回から一ヶ月以上も経過してしまいました。久しぶりにログインしたのですが、いつの間にか新機能とやらでやってくれましたね。Yahoo!さん普通にログインするとブログ未開設扱いになってるし、アバターは消えてるし名前の表示…
引き続き(独立した)読書感想をアップしない本の備忘録として残す第四弾。小説率は一気にアップ! ★ 11月に読んだ本(11冊) ★ ●ヨーロッパ退屈日記 ::伊丹十三 2011/11/1 読了 ※気障だなあと思いつつそれが鼻につくこともない。おしゃれなエッセイで 若い…
ダーティ・ワークはローリングストーンズのアルバム名で、各章にはストーンズの曲名が冠されている。 worried about yousympathy for the devilmoonlight milebefore they make me runmiss youback to zerobeast of burden 最初の3篇は独立した短編なので、…
初の長編家族小説とあるように、今までの作品群とは趣きが違う。定年間際の公務員富井省三は3年前に妻を病気で喪い、息子は結婚して独立し娘とはうまくコミュニケーションがとれないまま実家を出てしまい居所もわからない。一人暮らしの家の中は荒れ放題とな…
気ままな大学生と、強気な年上の女。かつての無邪気な恋人たちは、気づけばそれぞれに、取り返しのつかない喪失の中にいた。すべてを失い、行き場をなくした二人が見つけた、ふるえるような愛。生きること、愛することの、激しい痛み。そして官能的なまでの…
闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。だが人生は、まだたっぷりと残っている。旅先の京都で始まった、長屋の教会での居候暮らし。あやしげな西洋坊主バンジャマンと、遅れすぎた活動家だった「おれ」。そして不在の「あいつ」。あきらめを、祈…
裏表紙より引用仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作「沖で待つ」に、「勤労感謝…
「BOOK」データベースより引用高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文…
講談社BOOK倶楽部より引用「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に…
「BOOK」データベースより引用引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と…