吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

著者:牧久
出版社:小学館

 

松崎明という革マル派労働組合を利用しながら国鉄、JRを牛耳っていたという事実にうんざりする。
その昔、本書でも参考にされている立花隆の「中核VS革マル」を読んだが、その時の内ゲバや対立、分裂がそのまま国鉄、JR内で展開されていて再読した気分。
労働組合って何?トラジャとかマングローブって。。。
暴力やマスメディアに対する圧力、利用客と安全性を無視して自己主張に明け暮れていたら労組が衰退するのも当たり前。
ようやく革マル派の影響力が落ちて来てこの手の本が増えて来たのかな?
それでも左翼系の政治家との関係を含め、まだまだ根が深い闇があるんだろうね。

JR北海道ひとつとっても社長が自殺していたり事故が頻発していたり、
とても異常な状況だが、労働組合の力を削ぐための民営化は果たして成果があったのだろうか。
東日本や西日本、東海のようなドル箱を抱える会社は今後も発展していくだろうが、
経営が上向くことがとても難しそうに見えるJR北海道などは民営化のメリットはあったのか疑問。

もちろん労働組合自体が悪いわけではないが、今の時代には受け入れられなくなりつつあることも確かだろう。
労働組合が弱体化し本来のサービス向上に重点を置きつつあるだろうし、期待もするが、JRが抱える問題の解消はまだ先にあるような気がする。
これからJRがどのように変化していくか、見守りたい。


この作品は図書館本だが、薄い鉛筆で結構な量の書き込みがあった。
線が引いてあったり、丸で囲んであったり、段落がカッコで括られていたり。
あまり意味を感じない箇所にチェックしている気がするので目的はわからないが
何かしらの勉強や研究をしたいのであれば、自分で買って好きなだけ書き込んでほしい!

 

そんな気持ちを味わいたくなければお前も買えって?
返す言葉もございません。。。


2019/9/30読了