吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

戦国十二刻 始まりのとき

著者:木下昌輝
出版社:光文社

 

応仁の乱相国寺炎上から脈々と繋がるその後の時代の変わり目を描く連作集。


登場人物たちにかかわるアイテムがうまい具合に繋がっていて楽しめる。


稲葉城乗っ取りにまつわる「小便の城」は他の話とは雰囲気が違いコミカルにも思えたが案外こんな顛末だったかもねと思わせてくれ、好きな作品。


また、勇猛果敢な島津義弘に対する徳川側の目線の違いに、そんな切り口があるのかと驚いたが更に幕末まで話が飛ぶ展開に二度驚いた。

木下さんの快刀乱麻ぶりを堪能しました。

 

先日、勝海舟の作品を読んだタイミングで偶然、勝海舟ゆかりの地に訪れたのだが、

今回も本書を読み終わったタイミングで井伊直弼墓所でもある豪徳寺に訪れた。

豪徳寺近辺に住んでいたことがあるので以前にも訪れているが、関係を覚えていなかったので驚いた。

たまにこんな偶然が重なると呼ばれたのだろうか?と思ってしまうが、案外東京は狭いから歴史絡みの本を読むとかなりの割合でゆかりの地にあたるのかもしれないですね。

 


2019/9/24読了