吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

麒麟児

著者:冲方丁
出版社:KADOKAWA

 

勝海舟西郷隆盛により成し遂げられた「江戸無血開城」の息詰まる交渉をメインに二人の人物像を描いている。
お互いの立場をわきまえながら、相手を尊重しつつ最善の落としどころを目指す様は緊張の連続。
その二人をサポートする山岡鉄舟が魅力的な人物で二人に引けをとらない。
慶喜に疎まれながらも幕府側の代表として火中の栗を拾い続ける人柄の良さ、パークスや榎本武揚の艦隊を梃に粘り腰の交渉を続ける強さ、後に追い落とされる西郷への思いなど読み応えがあった。

 
ゴールデンウイーク最終日、赤坂近辺を散策していて偶然勝海舟ゆかりの地だということに気づかされました。
以前仕事で近所に訪れた際に知った「勝海舟坂本龍馬の師弟像」が見えた時、あれ、ここだったっけと思って一緒に歩いていた相方に「昨日、勝海舟関連の本を読み終わったばかりなんだよね」「それでここに来たの?」「いや、偶然」などと会話をしながら適当に歩いているとやはりゆかりのある「氷川神社」に行き当たり、取り敢えず参拝し、都内で2番目に大きい銀杏や、勝海舟が名付けたという「四合稲荷」(しあわせいなり)を見ました。
挙句の果てにかつて勝海舟の住んでいた跡地(マンションになっていて、看板だけでした)が近所あったりと驚きの連続。
まさにわざわざ目的を持って訪れたかのような偶然に、まさか導かれたのか?とさえ思いました。
むしろ読後に勝海舟が身近な存在に感じられるという不思議な日でした。

 

(「令和」初めての本でもあったことに気づいた)

2019/5/5読了