吉祥読本

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2016年9月の読書リスト

9月は小説を読んでなかった。



 2016/9/4読了
 ::レイチェル・カーソン〈上〉
 ポール・ブルックス
 レイチェル・カーソンの著書は全て読んでいるが、カーソン自身のことを知りたいと
 積んでいたのをやっと読む。
 最初から世の中で評価された訳ではなかったんですね。
 「潮風の下で」「われらをめぐる海」などからピックアップされた章を読むと
 素人にも分かり易い表現、視点が素晴らしいことに改めて気づく。
 内容が古いが現在にも十分通用する内容。下巻に続く。



 2016/9/11読了
 ::レイチェル・カーソン〈下〉
 ポール・ブルックス
 レイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」が、殺虫剤による環境破壊を
 訴えたことにより関連企業から多くの攻撃を受ける。
 全米を巻き込んだ騒動は環境問題を一般に知らしめた第一歩であり、
 その姿勢が現在の環境問題を考える際の礎となったことがよくわかる。



 2016/9/14読了
 /地政学リスク―歴史をつくり相場と経済を攪乱する震源の正体
 倉都康行
 世界各地域で起きる紛争や対立が経済的にどのような影響を及ぼすかを分かり易く
 説明している。
 成程と思う点もあったので勉強にもなったが、期待していたものとはちょっと
 違ったみたい。



 2016/9/18読了
 ::チャップリン自伝 上 ―若き日々
 チャールズ・チャップリン
 イギリスでの極貧時代からアメリカで成功を収めた所までのチャールズ・チャップリ
の自伝。
 長い間積んでいたが何と下巻があったとは気づかなかった。
 子供の頃の話を含め、かなり細かいところまで記憶していることに驚く。
 チャップリンの作品はある程度観ているが、笑いよりも哀愁を感じることが
 多かった。
 その理由は子供の頃の生活や母親の影響が大きかったんだろうなと本書を読むと
 合点がいく。



 2016/9/22読了
 ::不死蝶 岸田森
  (編集)小幡 貴一/小幡 友貴
 蝶の収集家だったなんて知らなかった。脚本や演出もしていたとは知らなかった。
 岸田森という人物の本当の姿をほとんど知らなかったんだなあ。
 「傷だらけの天使」でカツラを外した時の衝撃は今でも忘れない。
 特にファンだったわけではないが、いつかあのスタッフでの仕事が見たかったと
 仄かに期待していたので亡くなった時は残念だった。
 多くの俳優やスタッフからホント慕われていたんですね。
 特に水谷豊の話しはグッと来た。
 岸田森へ手向けられた関係者の言葉の数々に少しだけ岸田森の魅力に
 触れることができた。
 本書を読めて良かった。


 2016/9/26読了
 /キリスト教と戦争
 石川明人
 本書の冒頭にあるように、キリスト教の信者は、なぜ「愛と平和」を祈りつつ
 「戦争」ができるのか?
 という疑問は常々持ち続けていたものなので、本書を知るなり飛びついた。
 キリスト教が武力や暴力を肯定してしまう論理は分かり易く、国連でオバマ大統領が
 核なき世界に言及しながら一方では新型核兵器へのリプレイスを進めている矛盾と
 ぴったりじゃないかとニュースを見ながら合点がいった。



 2016/9/29読了
 /漂流の島: 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う
 高橋大輔
 伊豆鳥島に江戸時代から漂流してたどり着いた人々の足跡を辿る著者の熱意を
 感じるが、それ以上に、地獄を味わいながらも将来的にこの島に漂着したり
 閉じ込められるかもしれない人たちのことを想定して真水の入手先や道具類を
 残している人たちの気持ちに驚かされる。



7冊読了。