吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

小説以外 ::恩田陸

本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか?ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女漫画、日本文学…あらゆるジャンルを越境する著者の秘密に迫る。
さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。 (「BOOK」データベースより引用)



どの文章も短く、物足りない部分はあるものの、他の本の合間にちょっと読むにはちょうど良い箸休めになりました。
酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日記のほうが格段に面白いのですがね。

 

エッセイはたまに読むが、共感できたり感心したり刺激が色々あって楽しめる。
しかし、恩田さんの場合は読書量の凄さよりも、思わぬところで好きな映画や好きな本が同じだったり子供の頃の記憶が共有できる割合が非常に高く、すぐに友達になれそうな気がするほどだ。(恩田さんは嫌がるだろうが 笑)
具体的にどんなところが思わぬところか、を挙げると。。。
田中角栄研究 全記録(立花隆)、ガン回廊の朝(柳田邦男)、神無き月十番目の夜(飯嶋和一)などミステリ以外の作品群。
積んである「ドゥームズデイ・ブック」(コニー・ウィリス)に寄せた解説が掲載されていたのは誤算だったが(笑)
「航路」(これも積んであります)を読んでコニー・ウィリスファンになったらしく嬉しい限り。
あとジョイスの「ユリシーズ」を揃えながらいつ読もうか機会を伺っている姿にも、
恩田陸でさえなかなか手が出せない作品なんだから自分が躊躇するのも仕方が無いと納得しました(笑)
でも読みたい!

 

映画に関しても「大脱走」をオールタイムベストとして挙げられていて嬉しいじゃありませんか。
実はスティーブ・マックイーンの大ファンでして、大好きな作品。
子供の頃、紅白歌合戦にぶつけて放映された際、親に土下座して「大脱走」を観る権利を獲得した記憶が蘇ります。後にも先にも土下座をしたのはこれっきりです(笑)
ちなみにその翌年、2台目のテレビがウチにやってきたなあ、なんてことまで思い出しました。
恩田さんの学生時代の話はこんな風に自分の記憶を掘り起こしてくれるのです。
しか~し、その他にも、色々とあったのですが長い期間かけて読んだので忘れてしまいました。
なんと揮発性に優れた脳ミソなんでしょう。。。

 

多くの恩田作品にも言及されていて、やはり気になる恩田作品が増える一方でした。
これからも勝手に同志よ!と思い込ませていただきますのでよろしくお願いしま~す!