吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2012年2月の読書リスト

2月も今日でいよいよ終わりです。
ブログの不具合が直るまで記事をアップしないほうがいいのかもしれませんが
こちらにも都合ってモノがありますのでアップしちゃいます。
今月はギリギリ5冊でした。



2012/2/5読了
/日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦
NHKスペシャル取材班
 海軍の関係者が戦後、戦争に関する総括を行っていたことなど全く知らなかった。
 日本が戦争に突入したのは陸軍のせい、という情報を長い間刷り込まれてきた身としては
 むしろ海軍の果たした役割り(悪い意味で)に驚かされた。
 国家よりも海軍という組織を守ろうとする姿は、現代の官僚たちに連綿と引き継がれているではないか。
 いまだ日本人が操られやすい「独特の空気」を再認識するうえでも読んでおいてよかった。



2012/2/6読了
::水中都市・デンドロカカリヤ
安部公房
 なんだろうこの男は!
 安部公房の時代を超越した飛びっぷりには感動すら覚える。
 11の短編中、「デンドロカカリヤ」 「飢えた皮膚」 「手」 「鉄砲屋」が面白かった。
 人間の持つ弱さ、狡さなど皮肉を籠めて滑稽に描かれる作品群にもう夢中でした。
 題名が変だったからこの作品は避けていたのだが、早く読んでおけば良かったと思いつつ
 十代で読んでいたらきっと難しかっただろう。今のような状況下で読めたのは
 むしろグッドタイミングだったのだと思う。
 1月中から読んでいたが、併読していた恩田陸を霞ませてしまった張本人でもある(笑)


2012/2/11読了
/われ日本海の橋とならん
加藤嘉一

 取引先に中国系の会社があるので中国がらみの情報はネット上で常にチェックしています。
 この人は若いながら中国との人的ネットワークが圧倒的なのでネット上の文章はよく読んでいました。
 ただ、この本は著者の気負いが強すぎて苦笑いしてしまう部分が多めでした。
 勿論、中国人の気質を知るには参考になることも多いです。



2012/2/23読了
/傷痕
桜庭一樹
 久しぶりの桜庭作品です。
 桜庭一樹によるマイケル・ジャクソン物語(日本人版ですが)。
 キング・オブ・ポップと言われる偉大なる歌手が死に、彼の周辺にいた人たちが
 「彼」について語ることで浮かび上がる真の姿とは?
 みたいな作品だが、正直なところ全体的にはピンと来なかった。
 ただし、ラストには共有できる言葉がいくつかあり、悪い印象で終わらなくてよかった。
 相変わらず登場人物の名前が特殊過ぎるが、慣れると気にならなくなるもんだと思いました(笑)

 


2012/2/28読了
::完全版 年金大崩壊
岩瀬達哉

 

 もう何年も積みっ放しだったのだが、ようやく読み終えた。知っていることであっても読むと
 また腹が立ってしまう。
 今だからこそ言える事は、この本が出たときと比較して基本的な状況が何ら変わったとは
 到底思えない、という事。
 官僚の自己防衛能力の強靭さを崩すのは大変なんだろうなあ。
 政治家に期待できないからには自分たちの目で官僚の動きを監視していかないといけないな。




今年は現時点でトータル8冊ですが、充実した読書を楽しんでおります。
安部公房の再読、未読作品チャレンジ、関連本など今年は安部公房に力を注ぎたいと思っています。
あと、海外作品もがんばって読みますよ~