吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

陸軍将校のつくったチーズ --大倉直

私のブログにノンフィクションライターの大倉直さんがコメントを書き込んでくれただけではなく、
ありがたいことにファン登録までして頂いてから丁度1ヶ月経過しました。
その間、私も度々ブログに立ち寄らせていただいています。
直(ちょく)さんと呼ばせて頂きますが、直さんの近著である「陸軍将校の作ったチーズ」を
購入したことをうっかりご本人に報告してしまったので(笑)、
本に関するブログを立ち上げているからには、感想を書かないわけにはいかない・・・(汗汗汗)。



個人的なことですが、昔から興味があって多くの本を読みました。
日本が戦争に至る大きな原因のひとつに陸軍が大きな役割を果たしていたこと、
なぜ陸軍が力をつけたのか、その時に政治家は何をしていたのか、
なぜ陸軍は戦争に向かったのか、等々

 

色々な本を通して感じていた軍隊という組織の仕組みや歴史、時代の風潮を考えると
将来を約束された将校が病気でもない限り除隊するだろうか?
「陸軍将校の作ったチーズ」の概略を知った時の率直な疑問でした。

 

参考文献にある星新一の本はファンとして当然読んでいたのですが、
偶然にも「陸軍参謀」という本も読んでいたため、
直さんの本を読むための準備運動はできているかも?
という感じで「陸軍将校のつくったチーズ」、気合をこめて?読み始めました。



ところが、読みすすめるうちに「しまった」と思いました。
私の疑問は解決されないまま進行しているからです。

 

直さんの文章はとても読みやすく(たまに見たこともない言葉が出てくるけど。。。)、
淡々と進行しています。
が、もう少し掘り下げてほしいという欲求があるのも事実でした。

 

感想、書けるかな・・・

 

ところが最後のほうに来てようやく理解できたような気がします。
私の先の疑問や気合?がネックになっていたことに気が付きました。
パッと目が覚めたようです。

 

あとがきを読んで、より納得しました。
私が物足りなく感じていたことの答えがそこにあったからです。



ちゃんと最後まで通して読むと、主人公の偉大さや度量の大きさがよく伝わってくるじゃないですか。
(個人的事情により、ほぼ二度読みしたんですけどね)

 

自伝を書いてもおかしくないはずの主人公がそれらしいものを残さなかった・・・
そのこと自体がアルゼンチンで生きようとした彼の決意の強さの証明でもあり、
潔さだったのではないでしょうか。

 

ご子孫の取材ではそれぞれの現在の生活に関する話しにもページが多く割かれていますが、
トータルで読むと慶也さんの影が浮かび上がる感じですね。
脈々と続く何か、を残せるよう慶也さんの生き方を見習いたいものです。

 

ただ、本当に一番すごいのは亀陽身さんかも、なんて思ったりもしました。

 

直さんの優しい人柄もじんわりと伝わってくるいい本ですね。



本に書けなかったことや裏話を補足していただけるようでしたら教えてください。
著者と直接コンタクトできる機会はそうそうあるものじゃないですからね。
このページにガンガン書き込んでいただいてもいいですよ(笑)
個人的には、直さんの奥様が食事に同席した時の、奥様の感想やそのときの様子も興味があります。
ある意味関係者ですし。

 

新しい本を書かれているようですね。
直さんの読み方が分かった気がしますので次も楽しみにしてます。




勿論、寿司が握りたくなったら喜んで頂きますので、お知らせください!!(笑)