吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

脱ニッポン人生 自分の居場所の見つけ方 --大倉直

ブログを始めて思うことは、多分何もしなければ知り合うことがなかっただろう地域の人、違う職業の人、違う年代の人とお話しできることはなかったはずだ、と言う事です。
ほぼ、本というフィルターを通して自分を語り、直接的に自分のことを語ることはないのですがそれでもお付き合いいただけるのですからブログとは不思議なツールだし、人の縁とは不思議なものだなあ、と思います。
そんな私のブログに尋ねてくれているお一人である大倉直さんは、ノンフィクションライターです。
この度新刊を出されたとのことでしたので早速入手してまいりました。
丸善の丸の内本店で平積みされておりました。なんだか凄いです。

 

本書では国内外を渡り歩いた直さんが出会った人々が主人公です。
色々な国で暮らしてきた人や暮らしている人たちとの出会いとその後の現状が描かれます。
海外に暮らした事がないので、実際に海外で暮らすということの大変さや面白さはわかりませんが、多分面白い事だけではないはずです。外に飛び出すにはそれなりの覚悟が必要なんだと思いますが、本書に出てくる人たちは、いとも簡単に壁を乗り越えていることに感心します。(勿論簡単に見えてるだけなんだと思います)
なかでも個人的には10代でメキシコに飛び込んだ女子プロレスラーや、
ネパールに渡った神父さんなどが最も興味深かったのですが、他にももう少しページを割いて欲しいな、と思う人の話がいくつもありました。
この本を読みながらぼんやりと浮かんだことが、冒頭に書いた事なのですが
基本的にはブログはお互いの顔を知らないまま唐突に「知り合い」になり、
何となく嗜好を知り、悩みを知り、共感したりします。
リアルとバーチャルという決定的な違いはありまが、直さんの旅先での出会いを読んでいるとブログの出会いも同じようなものかもしれないなと思いました。かなり強引かもしれませんが。。。
直さんは、出会い、そして別れた主人公たちと再会し、これまでにどのような変化があったかなどをインタビューしています。
特に有名人でもなく、ごく普通の人々の人生の一部は色々有りながらも、とても身近に感じられます。
また、メキシコやタイ、ネパールなど、日本人との感覚や生活習慣のズレなどが随所にみられ、そんなところも面白いです。
海外生活に興味がある人や海外とのビジネス機会がある人にとっては参考になるのではないでしょうか。
興味のある方は是非読んでみてください。
作者とブログを通してお話しができるというなかなかできないチャンスもあります(笑)

 

ついでと言ってはナンですが、以前、直さんの本を読んで感想を書いております。
 →陸軍将校のつくったチーズ
 
どうやら近日中に、すし職人としてまたメキシコに出かけるらしいのですが、
それもいずれ本のネタになるのでしょうか。今後のご活躍も楽しみです。