吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

リカ --五十嵐貴久

「1985年の奇跡」を読んで面白かったので2冊目なんですが、、、
ビックリするじゃないか、もう!!



「BOOK」データベースより引用

 

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と
名乗る女性と知り合う。
しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、
常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。
その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。
単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。



前半はもう、主人公「本間」のあまりの無防備さと出会い系サイト攻略法みたいな話しが冗長で
なんだかなあ、と思っていたのですが、「リカ」の突然の登場の仕方にビックリ!
なんだ貴様~っ!と怒鳴りつけるね、きっと。勿論全速力のムーンウォークをしながら。
できないけど。

 

もうちょっと粘着質な女がでてきて主人公が精神的に追い詰めらていくって話しだと思ってたんですが
ホラーサスペンス大賞受賞作品ですもんね。そりゃそうなんだけど。。。

 

登場してからのリカが怖い!ことのほか怖い!!
一方、主人公の行動は最後の最後まで理解できずにイライラ。浅はかな男過ぎる。。。
出会い系にアクセスして真剣になってる後輩との会話には感情移入できないし、
会社からサイトにアクセスしたり、携帯電話の使い方など自業自得のダメ男にしかみえない。

 

リカに自分の正体がばれたあとの危機管理能力のなさ、リカとの電話での稚拙な対応の数々は
いくら追い詰められているとはいえ、大人気ない。

 

ただ、リカの異常さはそんなことどうでも良くなるくらい怖いんですけどね(笑)
ホラー好きな人にとってはどうってことないのかな?
後半は止められなくなるくらいの勢いで読めました。



文庫版には単行本にない「エピローグ」がついています。
エピローグの前で終わらせても確かに完結していて面白いんじゃないかと思うのですが
エピローグは思わぬ展開になって、良し悪しは別として驚きました。
個人的には「好きではない」テイストでした。
だいたい看護婦さんには、そこまでは出来ないんじゃないか?
そのへん、ちょっと惜しいな、というのが本音です。



なんだかんだ文句をつけつつ、怖かったし、面白かったので他の作品に進むことにします。



関係有りませんが、この記事を書いてる最中にメールを打とうと思ったら
アドレス帳に「Rika」という文字が見えてビクッとしました。

 

取引先の人だったんですが、しばらく連絡していないので忘れてました。
うう、小心者。。。