吉祥読本

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しゃばけ --畠中恵

今頃になってようやく読みました。しゃばけシリーズ突入です。
畠中恵(「はたけなか めぐみ」)をずっとハタナカと読んでいました(笑)



「BOOK」データベースより引用

 

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。
ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、
一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。
若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。
その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。
日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。




以前、テレビで放映したのでそれだけは見ていました。
まあ、軽い話しだこと、と思いましたが仕事で疲れている時には見てもいいかなという感じでした。

 

原作も軽いノリでサクサクと読めてしまいましたので、ドラマはかなり原作の雰囲気を
生かしていたかもしれないなと再評価しました。記憶は曖昧なのですが(笑)

 

もう当たり前のように主人公の若旦那には妖怪が見え、一緒に暮らしている設定なのですが
そのノリ?は嫌いではありません。
導入部で若旦那が目撃した事件が、実は根の深い事件として大きく展開していくとともに
その事件を若旦那と「仲間たち?」が解決していくという流れ。

 

最初こそノリの悪い読み方をしていたのですが、徐々に世界観に慣れるにしたがって
面白くなってきました。

 

それにしてもなんと優しく、なんと体の弱い若旦那。
ちょっと動き回るとすぐに寝込んでしまいます。
その理由は後半で明かされますが、それにしても弱すぎで
いつ「向こうの世界」に入ってもおかしくない有様。
そんな若旦那を補佐するためにいる犬神、白沢との対比がなんとも面白かった。
犬神、白沢は妖怪なんですが、普段は若旦那を説教する事が多いこの二人を説き伏せてしまい
最終的には若旦那の気持ちの強さが事件を解決へと導いていくことになります。

 

時代ものですし、若旦那の家が羨ましいくらいのお金持ちのためか、全体的に言葉遣いが柔らかく、
当初もたもたした感じもしますが、慣れればそれもいい味に感じました。。

 

章ごとに描かれるイラストも本書の柔らかさを手助けするかわいいイラストだと思います。
一番のお気に入りは猫のような仕草を想像させる小鬼?の妖怪、「鳴家(やなり)」ですね。
ぜひ欲しい!(うるさいかな・・・)



随分と長いシリーズになっているようですが、若旦那、犬神、白沢の探り合いながらのとぼけた会話や
ちょっとハラハラさせる展開(若旦那の体調も含めてですが。。。笑)は、
手軽に楽しめそうなのでもう少し読み進めてみようと思います。