最近、豊崎由美さんの「ユリゴコロ」の書評を読んで、以前豊崎さんが書いた「猫鳴り」の書評を
思い出した。
読みたいと思わせるのにどこか引っ掛かる書評だった。絶賛しているけれど、
読者にそれなりの覚悟を求めているような印象は、ずっと頭のどこかに残っていた。
思い出した。
読みたいと思わせるのにどこか引っ掛かる書評だった。絶賛しているけれど、
読者にそれなりの覚悟を求めているような印象は、ずっと頭のどこかに残っていた。
ということで「猫鳴り」を読んでみようとチャレンジしたわけだが、、、、
猫好きには辛いシーンがあるんだろうなと覚悟していたにもかかわらず、やはりしんどい。
猫好きには辛いシーンがあるんだろうなと覚悟していたにもかかわらず、やはりしんどい。
子供に恵まれず、高齢で妊娠したにもかかわらず流れてしまった40歳の伸枝と
雇われ大工の藤治の静かな生活に訪れる生まれたばかりの捨て猫。
嫌なことを思い出させる仔猫を育てるには精神的に苦痛を感じる伸枝。
その伸枝の行動が読み手を憂鬱にさせる。
なぜそこまで執拗に拒絶する?もういいじゃないか!と何度も思う。
雇われ大工の藤治の静かな生活に訪れる生まれたばかりの捨て猫。
嫌なことを思い出させる仔猫を育てるには精神的に苦痛を感じる伸枝。
その伸枝の行動が読み手を憂鬱にさせる。
なぜそこまで執拗に拒絶する?もういいじゃないか!と何度も思う。
作者はきっと猫を飼い、最後まで看取った経験があるのだろう。猫の描写が的確だ。
三部に関しては自分の経験と重なり合うこともあり、グッとくることが多々あった。
本作は決して、ペットとしての猫と人間の物語をプロトタイプ的に描いているわけではない。
辛く重苦しい現実を描きこみながら、きちんと人が生きるという事を目を背けずに描いている。
三部に関しては自分の経験と重なり合うこともあり、グッとくることが多々あった。
本作は決して、ペットとしての猫と人間の物語をプロトタイプ的に描いているわけではない。
辛く重苦しい現実を描きこみながら、きちんと人が生きるという事を目を背けずに描いている。
「もうわかっていた。猫はずいぶん前から、藤治の準備ができるのを待っている。・・・」
これ以上引用しないが、このくだりはストンと言葉が自分の気持ちに納まってきた。
ああ、そうだな、そうだったんだよな。。。。。
これ以上引用しないが、このくだりはストンと言葉が自分の気持ちに納まってきた。
ああ、そうだな、そうだったんだよな。。。。。
作者は1948年生まれ、主婦、僧侶、会社経営を経て、2004年ホラーサスペンス大賞を受賞したとのこと。
遅咲きではあるが人生経験は豊かそうだ。
多少の覚悟が必要なようだし、読者を選びそうだが、個人的には他の作品も読もうと思える力を感じる
作家さんでした。
遅咲きではあるが人生経験は豊かそうだ。
多少の覚悟が必要なようだし、読者を選びそうだが、個人的には他の作品も読もうと思える力を感じる
作家さんでした。