著者:田辺園子
出版社:河出書房新社
坂本龍一が、父親が生きているうちに父ことを本にしてほしい、
という意向からできた作品との事。
結局父親の意向により死後に世に出たようだが。
戦後文学の名作に関わっていた編集者をかつての部下ならではの視点で描く評伝。
今の時代ではとても許されないような強烈な個性は、
息子である坂本龍一の持つイメージとは相反するが、
才能ある作家を世に出そうとする一亀の姿勢と
音楽を追求する龍一の姿勢はどこか共通点を感じる。
幻冬舎の見城さんを思い浮かべながら読んでいたが、
良し悪しはわからないがあまりにパワフルな編集者は、
今後出てくることは無いのだろうな。
生前に本書のチェックをしたそうだが、どんな気持ちだったのだろうか。