イギリスからギリシャ・コルフ島に引っ越してきたダレル一家の物語。
自然に恵まれ、様々な動物や昆虫に接する生活を送る少年の視線で語られる日々の
何と幸せなことか。
ヤモリと巨大カマキリの戦いは特に印象的で臨場感溢れるものだったが、
実際に見ているからこその描写なんだろうな。
虫や動物に夢中になってまわりが見えなくなるダレルはまだしも、
兄たちの行動も変わっていて、とぼけているのか本気なのかが
読み切れない会話が展開される。
そして変わり者だらけの家族の中でも母親のおおらかさが微笑ましい。
子供たちが何をしていてもポジティブに見守っているのは大したもの。
現代ではクレームの嵐になりそうな気がするけど。
自分の子供の頃を思うとここまでの環境ではなかったが、
それなりに自然の中で過ごした時期が浮かび、
懐かしい気持ちにさせてくれる作品だった。
子供の頃この本を読んでいたら、何かが変わっていたかな?