長いけど「BOOK」データベースより引用します。
オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失した
コヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。
だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命令で、20世紀と21世紀を時間旅行で
行ったり来たりさせられたネッドは、疲労困憊、ついには過労で倒れてしまった。
シュラプネルから、大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも
探し出せと言われていたのだ。
二週間の絶対安静を言い渡されたものの、シュラプネルのいる現代にいては、
ゆっくり休めるはずもない。史学部のダンワージー教授は、ネッドをのんびりできるにちがいない、
19世紀のヴィクトリア朝へ派遣する。
ところが、時間旅行ぼけでぼんやりしていたせいで、まさか自分が時空連続体の存亡を賭けた
重要な任務をさずかっているとは夢にも思っていなかった…。
ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュをささげつつ、
SFと本格ミステリを絶妙に融合させ、ヒューゴー賞・ローカス賞のほか、
クルト・ラスヴィッツ賞を受賞したタイムトラベル・ユーモア小説。
正直なことを言うとこれを読み始めたときなんだか入り込めなくてストーリーが頭に入ってこなかった。
何度も別の本を割り込ませて、断続的に読むという作者、訳者(大森望さん) には
申し訳ない読み方をしていた。
海外もので、上記のように引用しないとうまく説明できない。
SFで、ユーモア小説・・・・それまで(おととしの話ですが)ほとんど読んだことのない分野
ということもあるが、主な物語の時代背景が「19世紀のヴィクトリア朝」なわけで、
世界観についていけないのだ。
単行本で買ったので高い買い物だったなあと反省しつつ思い出しては続きを読み、
少し戻ってストーリーを思い出しながらチョコチョコと読み続けた。
ところが、粘ってみるものである。
100Pくらい(遅すぎっ!)読み進んだ頃にようやく面白くなってきた。
この本、結構ページ数あるんですよ。
実に読み始めてから数ヶ月が経過しているのだが・・・
世界観に慣れてしまうと不思議なストーリー展開に
なんともいえない懐かしさのようなものがこみ上げてくる。
どんどん読むスピードが上がり、最後のほうになると面白くて止まらなくなってしまった。
読後感は、
「うーん、良く出来てるじゃねーか・・・」
いろんなことが伏線になっていて、細かいところまできちんと計算されている。
それが最後にピタッとはまる感覚。伊坂作品の感想みたいだ(笑)
まあ、いろんな要素がテンコ盛りな作品で、最終的には買ってよかったなって思えて
読み始めのときの気持ちが嘘のようでした。
去年ジェロームの「ボートの3人男」買ってあるんだけど、未だに読んでない。
読んだら、本作を再読しようと思っているのだが。。。いつになるやら・・・