「ボートの三人男―犬は勘定に入れません」(ジェローム・K・ジェローム)へ
オマージュを捧げている「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」
(コニー・ウィリス)を2年前くらいに読んだ。
「ボートの三人男」は読んでいないので、機会があれば「ボートの三人男」読もうかなとか、
それを先に読めばもっと面白かったのかなとか思っていたぐらいだった。
今回、丸谷才一が「ボートの三人男」の翻訳本を出していたことを始めて知った。
だったら早く読んでおくべきだった・・・
「たった一人の反乱」は一般企業で働く元通産官僚が若いモデルと結婚し、
そのモデルの祖母が殺人犯としての刑期を終え、同居することから、
次々と色々な難問に悩ませられるという流れです。
時代が少し古臭いけど、重層的な展開が見事に計算されていて飽きることが無い。
少々ブラックなユーモアも面白かった。
「上質でおもしろい、いい小説を読んだな」というのが読後感で、心地よかった。
ずいぶん前に読んだ本だけど、その時点で、今まで一番かも、と思ってしばらく
いつでも取り出せるところに置いてあった。
きっと翻訳とはいえ、「ボートの三人男」で丸谷才一は「いい仕事」をしているに違いない。
遅くなってしまったが、これも運命みたいなもの。
探さねば。