吉祥読本

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第9地区

監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル
出演:シャルト・コプリー


最近の映画では一番観に行きたかった作品です。

ある日南アフリカヨハネスブルグ上空に巨大な円盤がやってきてそのまま上空で動かなくなる。
故障して動けなくなった円盤に人間が乗り込むと、船内にはすっかり弱ってしまったエビの姿の
エイリアンが。
南アフリカ政府はエイリアンを保護し、「第9地区」に住宅を作り住まわせる。
20年後、第9地区はスラム街となり、常に現地の人間たちとイザコザを起こし、
政府は第10地区に強制的に移住させようと計画する。

こんな流れがドキュメンタリータッチで始まる。
エイリアンが攻めてきたわけではなく、衰弱して難民として南アフリカに保護されることによって
何が起きているかが皮肉を込めて語られる。

技術力は人間を凌駕しているにもかかわらず、生きるために必要な金のため犯罪を犯したり
武器を犯罪組織に横流ししたりする。目的は大好物のネコ缶を得るためなのが笑える。
立ち退き代行を依頼されるMNUという民間組織は簡単に言えば戦争代理業みたいなものだろう。
武器も開発していて、立ち退きを利用してエイリアンの武器を我が物にしようとしている。
エイリアンに立ち退きを承諾させるために任命されたMNUの責任者が映画の主役だが
この男の立ち回りや態度が腹立たしい。
エイリアンの隠し持つ液体を浴びてしまうことで体に変化が生じ、後半はエイリアンと協調するとは言え、
なんというエゴイストか。
アパルトヘイトという過去を持つ国で繰り返される差別に、人間ってのはどうしようもないなと思わされる。
ついついエビに対して申し訳ないやら情けないやらの感情が涌いてしまいました。


結局この作品は続編ができるのか?と思わせる終り方だったが帰ってから調べると
続編の準備が進んでいるとの情報が。。。
このままでもよかった気がするけど、3年後に何が起きるのかも興味があるので
観に行ってしまいそう。

人間の頭や身体の一部などが吹き飛ぶシーンが多いので、血を見るのが苦手な人には
お勧めできませんが、面白い作品でした。