吉祥読本

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押入れのちよ ::荻原浩

今くらいの時期に読もうと積んであったんですけど、ようやく棚卸しできました。
ホラー短編集ですけど、とても怖い話というよりも、ちょっと怖いくらいですね。
ほのぼのする印象の「コール」「押入れのちよ」「しんちゃんの自転車」
人間の闇を描いた「お母さまのロシアのスープ」「介護の鬼」
ちょっと不思議な世界を描いた 「老猫」 「木下闇」
コメディタッチの「殺意のレシピ」「予期せぬ訪問者」と分類できると思います。

 

とりたてて好みというのは無いのですが(笑) その中で印象的なのをいくつか。
「押入れのちよ」 の雰囲気は表題作だけあって可愛らしくて面白かった。
「お母さまのロシアのスープ」は本当は怖い昔話みたいな印象を与えたのはロシア、
というキーワードなんでしょうけど、ラストは戦争に関して考えさせられる話でした。
読後にジワリとくる作品。
「介護の鬼」 は現実に日本社会のいたるところで起きているのでは?と考えると後味が悪いというかある意味この作品群のなかでは最も怖いリアルな話かもしれません。
「しんちゃんの自転車」は、ラストの展開が小さく決まったなという感じで、ちょっと切ない話でした。



以下、作品一覧

 

「お母さまのロシアのスープ」 「コール」 「押入れのちよ」 「老猫」 「殺意のレシピ」「介護の鬼」 「予期せぬ訪問者」 「木下闇」 「しんちゃんの自転車」