吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

世界一の一般人がいる日本

東北地方太平洋沖地震にて被害に遭われた皆様には、心よりお見舞いを申しあげます。
まだ不明となっている皆様方のご無事、一刻も早い捜索、救助が進むよう微力ながら願っております。
また、厳しい環境の中で救助活動に従事されている方々に、また原発の復旧作業に不眠不休で
従事されている方々に、心から敬意を表したいと思います。


お久しぶりです。ブログの更新はリコメ以外休止していました。
このたびの災害により被災地への連絡が取りにくくなったことは皆さんもご経験されたと思います。
親類縁者、友人、取引先等、広範囲な災害だった分、心配で連絡をとりたい人たちが多かったことは
自分もそうでしたから理解できます。
今回の状況からインターネットが非常に有用だという事が実感できました。
電話よりメール、ツイッターのほうが強力なツールだったことが証明されました。

私事ですが、インターネットの世界で生きている者としては、インターネットの利用を止める事は
死活問題となります。
災害を免れた者として被災地のためにできることは少しでも電力を拠出することや電話、
インターネットのトラフィックを少しでも減らしてその環境を被災者、
最前線で救済活動を行っている人たちに最大限に利用してもらうことだと思いました。
仕事上どうしても相当時間、インターネットを利用しなければいけませんので、
あまり意味がないと思いつつその分ブログの更新や閲覧をやめていた次第です。
(リコメだけはさせていただきました)
また記事やコメントが思わぬ誤解や風評を助長するのを防ぐには、一定時間の沈黙も必要だと
判断した結果でもあります。
辺境ブログですからただの自己満足でしかありませんが、もしかしたらどなたかの一通分のメールを
邪魔せず送信先にちゃんと届くくらいの手助けになっていたら幸いです。
停電も受け入れる覚悟をしていますが、中止の連続で貢献できず申し訳ない気分です。


地震が来る前日から「言葉でたたかう技術 日本的美質と雄弁力」(加藤恭子 著)という本を読み始め、
本日の朝読み終わりました。被災地の状況を見聞しながらの読書でしたがその中に
「世界一の一般人がいる日本」という言葉がありました。
偶然ですが、この状況になんて的を射た言葉だろうと思いました。
これは著者がインタビューした外国人から見た日本を表現した賞賛の言葉ですが、
謙虚で思いやりがあり、気を遣い、ルールを守るなどの日本人のモラルの高さは諸外国では
考えられないようです。
今回の災害のなかで整然と秩序を守り、パニックになるどころか被災者が他の被災者を気遣う姿は
見事にこの言葉の正しさを証明していました。

この「世界一の一般人がいる日本」を、口下手な日本は行動をもって世界にメッセージを送っているのです。
元気を出して、顔を上げて、近頃自信を失いがちな日本の隠れたパワーを誇りに思わないといけませんね。
政治家はこの本を読んで、世界一の一般人に負けない仕事をしてください。

この本にはまた、こんな話も出てきます。
ニューイングランドでは魔女の記録がたくさんあるらしい。
誰かが何の気なしに「メアリーは魔女なのでは?」と呟きます。
すると伝言ゲームのように最後は「メアリーは魔女だ!」と仕立て上げられ、断定されてしまいます。
主張ベタな日本人は「メアリーは魔女なのでは?」と言われた瞬間に反論することが必要だと述べていて、
それはごもっともなのですが、実際に日本で起きている災害に便乗した風評の怖さを危惧していたため、
妙に納得してしまいました。
その昔、女子高生の言葉をきっかけに発生した取り付け騒ぎが日本でありましたが、
「世界一の一般人がいる日本」の一員としては、根拠無き買占めや、知識なき無責任な言動は
慎みたいものです。

復興にはまだまだ長い困難な道のりが続きますが、「世界一の一般人がいる日本」ならばきっと
乗り切れると信じます。
自分に何ができるか考え続け、微々たる行動でもきっと役に立つと信じたいと思います。

結局トラフィックを使ってしまいましたが、「世界一の一般人がいる日本」という言葉が嬉しくて
アップしました。
もう少し落ち着いたら普通の生活の一環として、読書感想の復活、皆様のブログへの訪問を
再開したいと考えています。
長くなってしまいましたが、お許しください。