ミュージシャンでもある山川健一の作品は20代前半に、結構はまった。
カッコつけてるかんじもするけど鼻につくところまではいかなかった。
今でもたまに自分が影響を受けていることを感じることがある。
説明はできないが。
(なんかこのブログ、説明できないってフレーズが多い気がする・・・)
最も好きな作品のひとつがこの「星とレゲエの島」だ。
主人公のレイは小説を書いていて、仕上げに東京からジャマイカに訪れる。
レイは山川健一自身だと思えばいい。(勝手に決めるなって怒られそう)
そこで出会ったディーンとレイの会話がとても好きだ。
ちょっと長いけど引用。
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「ロックンロールバンドかい?」
「ああ」
「あんたがバンドで歌ってるってことは素敵なことだよ。それがレゲエ・バンドなら最高なんだけど」
「そいつは無理だよ、ディーン」
「なぜ? あんたはレゲエをプレイしないのかい?」
「レゲエはやらない。レゲエは、すごく好きさ。
だけど、残念ながらレゲエはおれのカルチャーではないからね」
「ロックンロールだってアメリカの音楽じゃないか」
少しばかりたじろぎながら、それでもぼくは言った。
「そうさ。だけどおれはもう十年以上ロックンロールを聴いているんだぜ」
「レイ、いいアイディアがあるよ。レゲエ・ミュージックを二十年聴けばいいのさ。
そしたら、おれといっしょにバンドをやろう」
「ずいぶん先の話だな」
「二十年後も、来年も、ただのトゥモロウさ。
時間に追われるのはあんたがバビロンに毒されているからだよ。
レイ、いいかい、JAHからの授かり物は生命だけなのさ。
家も服も食物も、それを手に入れる金も、本当はそんなものどうってことないのさ。
時間に追われるなんて馬鹿げているよ」
ぼくは黙ってうなずいた。
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ディーンの台詞には、まいったなあ。
「二十年聴けばいい」って・・・
これだけでとりあえずジャマイカに行きたいとおもったもんだ。
この本を読んだときはとても忙しいときで、体が悲鳴を上げていた。
常に時間がなかった。
常に時間に追われていた。
今はあの頃より別の意味で時間がない気がするが(笑)、限界を自分で作っちゃいけないね。
まだまだこれからだ。
晴れた夏の日に静かな海辺で寝そべっていると、不思議なことに
ンチャ、ンチャ、ンチャ って、リズムが
頭の中で一杯になってたりする。
普段聴かないのに、ボブ・マーリー。
やっぱ、海とレゲエって自然にリンクしている関係なのかしら?
むか~し、来日中のボブ・マーリーに出会ったことがある。
泊まってるところでバイトしてたので、いることは知っていた。
が、いきなりすれ違ったのでびっくりした。
雰囲気あったなあ。
わかりにくい感想だけど。
あのとき周りには人がほとんどいなかったし、向こうも一人だったから
握手でもしてもらえばよかったと後悔。
無視されたかもしれないけど、握手してたら絶対熱心にレゲエ聴くようになったろうなあ。