吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

やんごとなき読者 --アラン・ベネット

児童書のように行間が空いていてそれでいて短くて、読み易いったらない作品ですが
さらになんともユーモア溢れるお話で嬉しくなります。

英国王室の女王がひょんなことから読書に目覚め、のめりこむことによって
振り回されるお付きの人々との間で起きる攻防戦が滑稽だ。
読書をするために公務を休んでしまうあたり、うらやましい。自分のことも誰か調整してくれないか!
仕事を忘れ、生活を忘れ読書に没頭できたらどんなに幸せな事でしょう。
女王ですら邪魔が入るんだから庶民には絶対無理か(笑)

自分も経験しているが本の連鎖がもたらす喜びみたいなものが描かれ、
女王が変わっていく姿を客観的に眺めるのも楽しいし、共感するところもたくさんありました。
なんと言っても女王が優しくかつ愛くるしいおばあちゃんなんですよね~。
茶目っ気もあるし、いいキャラクターですね。


女王の読んでる本は自分が読んだ事がないものばかりなので、それらの本を読んでいれば、
より本書に籠められた風刺やユーモアを楽しめたのかもしれないです。
これから時間をかけてそんな本たちを読むのもいいかもしれません。
今からでも遅くは無いでしょう。
女王は70歳代後半から読書を始めたのだから、余裕余裕(笑)