吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2015年4月の読書リスト

少し休めそう。閻連科の作品は今後も要チェック。



 2015/4/6読了
 ::有頂天家族 二代目の帰朝
 森見登美彦
 久しぶりに再会できた毛玉ファミリーの相変わらずの阿呆っぷり、
 堪能させていただきました。
 今までの森見作品のエッセンスを所々垣間見せ、縦横無尽に繰り広げられる
 モリミーワールド。
 第三弾もあるとは嬉しいけれども、すぐに読みたいゾ。
 とりあえずうごうごしながら待つべし。



 2015/4/13読了
 /黒幕: 巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」
 伊藤博
 以前読んだ「『遺言』 闇社会の守護神と呼ばれた男~」で主に取り上げられていた
 人たちが本書にも言及されていて、日本社会にどれほどのグレーゾーンがあるのかを
 改めて思い知らされる。
 一般人の目にはあまり触れないプロ向けの情報誌の存在は知っていたが、
 そういうことだったのか。
 政財界、マスコミ、暴力団、右翼等あらゆる世界の交差点であった石原俊介氏に
 黒幕感があまり感じられなかったが、情報を握る者が強いことは確かなのだろう。


 2015/4/17読了
 /金を払うから素手で殴らせてくれないか?
 木下古栗
 Twitter文学賞で国内トップだったので読んでみたが、じゃなければ読まなかった
 作品。
 3作品収録されているが、テンポが良いというか脈絡が無いというか説明が難しい
 作品ばかり。
 まち子さんの連射には何だそりゃ?だが、筒井康隆の「バブリング創世記」等を
 思い浮かべるも比べるとまだまだ物足りないし、好きとか嫌いとかの判断も
 できなくて中途半端にお腹一杯って感じ。



 2015/4/23読了
 /死んでたまるか
 伊東潤
 大鳥圭介の名前こそ知っていたが、特に印象も知識も無かった。
 榎本武揚土方歳三とともに五稜郭の戦いまで主導者的立場で新政府相手に闘い、
 のちに新政府に出仕して活躍した人物なので魅力的な題材だと思えるが、
 伊東作品として期待が高かったせいか、失礼ながら人物描写や心理描写が雑な
 印象のうえ、史実をざっとまとめただけのような出来に感じてしまった。
 土方歳三をメインにしてくれたら対比して大鳥圭介の持ち味も生きてきたのかも
 しれないなと思ったし、読みたい。



 2015/4/27読了
 /愉楽
 閻連科
 Twitter文学賞で海外トップだったので国内編に続き読んでみた。これは面白い!
 最初はどのように読めばいいのか戸惑ったが、慣れると一気読みに近かった。
 全編通して差別用語(昔は日本も普通に使っていた言葉だけれど)が多用され、
 もの悲しさ漂うユーモアを感じさせる文体。
 奇天烈な内容にもかかわらずまさかノンフィクション?と思ってしまうくらい
 現代にも通じる中国人の考え方や行動原理みたいなものを垣間見た感じ。



 2015/4/30読了
 /白頭の人
 富樫倫太郎
 ここのところ関ヶ原関連の作品を読んでいたため、大谷吉継がメインの作品を
 読みたいと思っていたところでした。
 大谷吉継の若かりし頃から最後までを駆け足で描いているが、あまり深みが
 感じられない作品だったのが残念。
 魅力的な人物であったことは分かったので、もう少し踏み込んだ作品があれば
 是非読みたいと思う。




6冊読了。