吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2015年5月の読書リスト

5月は暑かった。。。。6月も続くのか?



 2015/5/6読了
 /夢をまことに
 山本兼一
 鍛冶屋職人の一貫斎が職人として無限に広がる夢を真摯に追いかける姿が
 描かれている。
 鉄砲から始まり、空気銃や万年筆、望遠鏡など、幾度となく失敗を繰り返しながら
 考え尽くし作り上げようとするひたむきさ、心に響く言葉の数々にハッとしたり
 反省したり。
 どのような分野であっても技術者はかくあるべき、と感じ入る作品でした。



 2015/5/9読了
 /気まぐれスターダスト
 星新一
 今まで未刊の作品集とのこと。これにて全作品読破?と思いたいのだが
 きっと取りこぼしているんだろうなあ。
 調べるのも大変だし。。多少古臭いのは仕方がないが、子供向けの長めの作品は
 冗長に感じた。
 星新一のさりげない毒を感じさせる作品は、やはり面白い。

 

 
 2015/5/15読了
 /闘鬼 斎藤一
 吉川永青
 主人公や新選組関係者を含め、全体的にもう一歩踏み込んで人物像や関係性を
 描いてほしかったし、むしろ本作品の描き終わったところからの人生を詳しく
 知りたかった。
 終盤に大鳥圭介がちょっと出てきて伊東潤氏と軽くコラボか?とニヤリ。



 2015/5/21読了
 /丁庄の夢―中国エイズ村奇談
 閻連科
 「愉楽」をきっかけに読んだ。語り部は毒殺された子供。
 中国の貧しい村を挙げての売血
 その結果蔓延するエイズ
 死を待つ人々の絶望、棺桶や陰婚で商売に励む人などの姿がこれでもかと描かれる。
 中国社会の問題点を抉り出している、などと呑気に読んでいられない壮絶な人間の
 業を、実際に存在するエイズ村の現実を、殺された子供の言葉を通して
 突きつけられている。
 所々に描かれる本当に小さな小さな希望を求める姿が印象的だった。



 2015/5/25読了
 /デブを捨てに
 平山夢明
 表紙を見る限りもっとハード系かと思っていたせいか、4つのストーリーいずれも
 人の持つ悪意に気分が悪くなりつつ希望と優しさが混在していて平山作品としては
 だいぶマイルド。
 それどころか表題作の「デブを捨てに」と「顔が不自由で素敵な売女」に関しては
 爽やかさを感じた。



 2015/5/31読了
 /若冲
 澤田瞳子
 かなり特徴のある作風で有名な若冲とはどんな人物だったのか?
 家業を継がず、懺悔の気持ち、ぶつけられる憎悪によって絵と向き合う姿。
 まるで真実なのではないかと思わせるような推測と心理描写で作品を作り込んだ
 澤田さんの情熱と、若冲の苦悩と情熱を静かに感じられる作品だった。




6冊読了。