以前から気になっていた作家さんで、ようやく初読。
留学中に祖国が失われてしまったhirukoは、様々な国の人たちと出会いながら
母国語を話す人を探して旅する。
多言語が飛び交い、かつLGBTQや人種問題などを織り交ぜ、
テーマとしては多くを含んでいると思われる。
そもそも祖国が何らかの理由(原発事故?自然災害?)で消失した事態も含め
現在世界で起きている社会的問題がさりげなく提示されているのだろう。
だからと言って特に気難しさや重苦しさは無い。
むしろその文体から印象は軽い。
言葉遊び的な会話になかなか入り込めなかったが、慣れてくると先が気になる。
曖昧模糊とした背景にモヤモヤするも、後半のsusanooでちょっと盛り上がった。
最初から最後までどこか懐かしい感情が湧いていたが、理由はわからない。
彼らの軽やかな行動力とコミュニケーションに対する感情なのかも。
きっと若い頃に読んだら夢中になったかもしれないが、
それほど入り込めず、ワリと冷静に受け止めながら読んでいたと思う。
続編(最近出たばかり)にがっつり繋がる終わり方には驚いたが、
気になるので忘れないうちに読みましょうか。
題名には納得。