吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

図書館の興亡―古代アレクサンドリアから現代まで

著者:マシュー・バトルズ翻訳:白須英子 出版社:草思社 考えたことが無かったが、図書館の歴史が案外古いことにまず驚かされる。 そしてその図書館の破壊や焚書が様々な時代、国により繰り返されてきたことにも 驚く。 勝者が敗者の歴史や文化を奪うことの…

月の光 現代中国SFアンソロジー

出版社: 早川書房 ケン・リュウ編アンソロジー第二弾。作家14人16作品。 「移動迷宮」を読んで本作を読んでいないことに気付き、早速読む。 第一弾に比べると派手さは無いが、バラエティに富んでいて楽しめた。 雰囲気が好きでグッと心を掴まれた「おやすみ…

中国史SF短篇集-移動迷宮

出版社:中央公論新社 「中国史」を舞台としたSF短編集。 今まで読んだ「中国史」を絡ませたSFは面白いと思う作品が多かったので 本作品集はとても興味深かった。 中国史に特に詳しいわけではないが、中国らしい雰囲気を生かしつつ もっともらしい法螺で歴史…

誰がために医師はいる ―クスリとヒトの現代論

著者:松本俊彦 出版社:みすず書房 薬物依存症と向き合い続けてきた精神科医による、自身の来歴や依存症患者との数々の葛藤が率直に書かれている。医師であれ、患者であれ、向き合った人ではないと到達できないような考え方や苦悩が伝わってくる。薬物の依…