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伊藤計劃記録:第弐位相 ::伊藤計劃

第弐位相とは伊藤計劃が亡くなる直前まで書いていたブログの題名でもある。
よってブログからの抜粋がかなりある。
ブログはまだ存在するので、本書のかなりの部分はネットで読むことができる。
が、しかし伊藤計劃の本は揃えておこうと思っている身としては買わずにいられないのです。
いよいよこれで最後かな。。。。

 

「Heavenscape」「フォックスの葬送」という短編が掲載されているが、
他の作品と表現が重複している部分もあるし、第一作の収録作品に比べると印象が薄い。
ただし、他の作品群に内包されているテーマは一貫している。

 

ブログ部分の抜粋に関しては好きな映画やアニメや嫌いな映画や人?への忌憚の無い文章が満載されている。
押井監督の作品など、ここまで言って大丈夫なのだろうか、などと心配してしまうことも多々あるが
リスペクトしているが故に妥協しない発言でもあることが伝わってくる。

 

好きな事になると熱く語り、病気であることを妙にナマナマしく、痛々しい思いをユーモアで
包み込んでみたり、ヲタぶりを発揮したりと、ずいぶんと曝け出している感がある。
面白い文章がいっぱい掲載されているし、自分との感覚の違いや温度差みたいなものを知る事もでき、
小説からはわからない伊藤計劃の一面を垣間見ることができる一冊。
されど伊藤計劃を知らない人が本書をいちばん最初に読むことはお奨めできないかなあ。