本作は「虐殺器官」、「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」で描かれた混乱を経た後に選択された世界を描いている。
今まで彼が描いてきた世界観が非常にわかり易く、そして彼の心の最深部が最も如実に描かれた作品だと言えそうだ。
今まで彼が描いてきた世界観が非常にわかり易く、そして彼の心の最深部が最も如実に描かれた作品だと言えそうだ。
「虐殺器官」では核弾頭による大災禍(ザ・メイルストロム)、戦争経済が国家の枠を徐々に破壊していくさまを描いていた。
これらの災禍を経過したことによって、ガンやウィルスに侵され始めた社会は病気と戦うために人々は体内を監視するシステム「WatchMe」をインストールしていた。
世界は事実上、医療合意共同体である「生府」によって統治され、それまでの各国政府はほぼ機能していない。
前作までは兵士たちのコントロールのみだったが、本作では全世界の人たちを監視できるシステムへと拡張されている。健康状態だけではなく、感情までも監視対象として広げられてている。
病気を克服することでユートピアを作る事ができると信じて。。。
これらの災禍を経過したことによって、ガンやウィルスに侵され始めた社会は病気と戦うために人々は体内を監視するシステム「WatchMe」をインストールしていた。
世界は事実上、医療合意共同体である「生府」によって統治され、それまでの各国政府はほぼ機能していない。
前作までは兵士たちのコントロールのみだったが、本作では全世界の人たちを監視できるシステムへと拡張されている。健康状態だけではなく、感情までも監視対象として広げられてている。
病気を克服することでユートピアを作る事ができると信じて。。。
今までの流れがあるおかげで主題もすっきりしている。
主題がスッキリしているために掘り下げ方もわかりやすく、シンプルに深いところに訴えかけてくる。
主題がスッキリしているために掘り下げ方もわかりやすく、シンプルに深いところに訴えかけてくる。
この作品の特徴として表現に作中言語「ETML」というマークアップ言語が利用され、
感情や状況や説明にタグ付けされている。
感情や体の状況が「WatchMe」によって常にタグ化され、表現されているということか。
分類された情報はネットワークを介して自分のありとあらゆる情報がオープン化(アウトソース化)されていくのだ。
感情や状況や説明にタグ付けされている。
感情や体の状況が「WatchMe」によって常にタグ化され、表現されているということか。
分類された情報はネットワークを介して自分のありとあらゆる情報がオープン化(アウトソース化)されていくのだ。
健康であることは万人の切なる願いだ。
しかし引き換えに自分のありとあらゆるものがタグ化される世界は幸せだろうか。
事ある毎にタグ化され、細分化され、それが繰り返されていく。
徹底的にタグ化された末、ただのパーツの寄せ集めのように解析されてしまう事にガマンできるのか。
自分の一部が、そして全てがリソース化されることに幸せを感じるのだろうか。
しかし引き換えに自分のありとあらゆるものがタグ化される世界は幸せだろうか。
事ある毎にタグ化され、細分化され、それが繰り返されていく。
徹底的にタグ化された末、ただのパーツの寄せ集めのように解析されてしまう事にガマンできるのか。
自分の一部が、そして全てがリソース化されることに幸せを感じるのだろうか。
非効率な生き方をしてきた者としては何とも息苦しい世界ではないか。。。
何よりも感情の失われた世界が幸せなのだろうか。
この世界を突き詰めた未来には間違いなく「マトリックス」の世界が待っている。
個人的には本作に出てくる螺旋監察官のウーヴェの言葉を借りて悪あがきをしたいものだ。
「俺は人生を愉しみたいんでね。システムの穴はできるだけ探し出すことにしている」
何よりも感情の失われた世界が幸せなのだろうか。
この世界を突き詰めた未来には間違いなく「マトリックス」の世界が待っている。
個人的には本作に出てくる螺旋監察官のウーヴェの言葉を借りて悪あがきをしたいものだ。
「俺は人生を愉しみたいんでね。システムの穴はできるだけ探し出すことにしている」
ラノベ調に書かれているが、作者が死と向き合いながら描いた作品の主題はとても重い。
読者が受け止めるにはこれぐらい軽い描き方をしなければならない。そう考えたのかもしれない。
読者が受け止めるにはこれぐらい軽い描き方をしなければならない。そう考えたのかもしれない。
多分時間が足りなかったのだろう。「ETML」には不整合がある。時間が有れば最終的に見直したはずだ。
それとも何かしらの意図があったのだろうか。今となってはわかりようがない。
いずれ途轍もない大傑作を生み出していただろうと確信に近い思いを持ったが、それを確認できないことがとても残念だ。
それとも何かしらの意図があったのだろうか。今となってはわかりようがない。
いずれ途轍もない大傑作を生み出していただろうと確信に近い思いを持ったが、それを確認できないことがとても残念だ。