吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

残月記

著者:小田雅久仁 出版社:双葉社 「増大派に告ぐ」、「本にだって雄と雌があります」は読んでいるが 本作を含めそれぞれ印象が違い、著者のイメージが掴めない。 それだけ引き出しが多い作家さんなのかな。 月をモチーフにした3篇のダークファンタジー。 い…

幸村を討て

著者:今村翔吾出版社:中央公論新社 今村作品の長編は最後まで飽きさせない。本作然り。 早い段階で幸村が退場してしまい、こんな分厚い本なのに大丈夫か? と心配したものの、すっかり今村さんにやられました。 「幸村を討て」をキーワードに 真田幸村、信…

戦争は女の顔をしていない

著者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ翻訳:三浦みどり出版社:岩波書店 「同志少女よ、敵を撃て」の参考文献だったので読んだ。 oldstylenewtype.hatenablog.com 対ドイツ戦に参加した女性たちの証言を集めた記録で、 多くの人たちの生の声が突き刺さ…

趙雲伝

著者:塚本靑史 出版社:河出書房新社 三国志をあまり知らない人でも趙雲の名はそこそこ有名だと思うが、 そんな人物を今題材にするということは、 それなりの切り口で成程そんな解釈があるのか、 な~んて唸りたいと思っていたのだが 特に目新しい展開は無…

幻の女 ―ミステリ短篇傑作選

著者:田中小実昌編集:日下三蔵出版社:筑摩書房 日下三蔵さんの名前で食指が動いた。 昭和感漂うというか、ド直球に戦後直後の空気感しかない作品ばかり。 新宿界隈の混沌とした雰囲気はまあわかる部分もあるが 聞いたことが無いスラングは読んでいるほう…

童の神

著者:今村翔吾出版社:角川春樹事務所 う~む。またまた面白い。 今村翔吾作品としては4冊目。平安時代の京都が舞台。 平安時代は苦手意識があるので今のところハズレが無い今村作品といえど 不安があったが、杞憂に終わりました。 京人に蔑まれ、山に暮ら…