吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

海辺―生命のふるさと --レイチェル・カーソン

毎年行く岩場でのスノーケリングは、行く度に新しい発見で飽きることがない。
名前もわからない小魚の大群に囲まれたり、砂粒のような稚魚の大群が眼前にいたり。

そういえば海草の切れ端が2本、同じ方向に同じスピードで移動しているから
不思議に思ってじっと見ていたら実は魚だったなんてことも。

岩場から顔を出すギンポをからかったときに、波に洗われて怪我したのは罰が当たったからでしょうか。
何年も傷は消えません。しつこくしてごめんよ。

初めてその岩場に行った時の、ヤドカリたちの大群にはびっくりしたものだ。
耳を澄ましていると、波の音とともに、そいつらの動く音がピチピチカチカチと聞こえてくる。
岩場を歩くと、岩のひとつひとつにいっぱい張り付いていたヤドカリたちが
身を守るために落下傘部隊のように落ちていく。

海辺は意外と面白いことは自分なりに分かっていたつもりだった。

本書を読むと、カーソンが海辺で出会った生き物たちと同じものを結構見ていたことに気付く。
何気なく見過ごしていた生き物たちの名前や生態は驚くものが多かった。
名前や生態が分かった途端、急に親近感が沸いてきた。
まだまだ知らない生き物が海辺には一杯いることもわかった。

カーソンが書いているように、海辺は最も厳しい環境なんだということが納得できた。
潮の干満により、海になったり、陸になったりを繰り返す場所を巧みに生きていかなければ
ならないのである。
人間の感覚で言うと深海で過ごすほうがよっぽど過酷だって思っていたが、
生き物にしてみれば適応してしまえば楽園になってしまうんだもんな。
そりゃー確かに海辺は一日で環境が真逆に変わるのだから厳しいよな。
台風とかの影響も大きいしね。
それに地球の温暖化もどんどん進んでいくし。

これからも新しい発見ができるように、海に行く前にはこれを見て復習しよう。