吉祥読本

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センス・オブ・ワンダー --レイチェル・カーソン

海洋生物学者として「潮風の下で」「われらをめぐる海」「海辺」などを書いただけではなく、
環境問題の教科書ともいわれる「沈黙の春」を書いたカーソンの遺作です。
毎年姪の息子、ロジャーと自然の中で過ごし、感じた事が綴られています。



「BOOK」データベースより引用

 

子どもたちへの一番大切な贈りもの。美しいもの、未知なもの、
神秘的なものに目を見はる感性「センス・オブ・ワンダー」を育むために、
子どもと一緒に自然を探検し、発見の喜びに胸をときめかせる。



さらに一部、本文より引用

 

 寝る時間がおそくなるからとか、服がぬれて着替えをしなければならないとか、
 じゅうたんを泥んこにするからといった理由で、ふつうの親たちが
 子供から取り上げてしまう楽しみを、 わたしたち家族はみなロジャーにゆるしていましたし、
 ともに分かち合っていました。

 

   ~~~

 

 明かりを消したまっ暗な居間の窓から満月が沈んでいくのを眺めたり、
 海を眺めたりを毎年くりかえしているうちにある年の満月の夜、
 じっと静かに月や海面、そして夜空をながめながら、ロジャーはささやいたのです。
 「ここにきてよかった」




センス・オブ・ワンダー」とは「神秘さや不思議さに目を見はる感性」とのことです。
50ページにも満たない本文、金額にして1,400円は高いかもしれませんが、
カーソンから受けるメッセージを考えると決して高いものではないと思います。
人生の必要経費だと思って(笑)。でも、還付されるものは大きいかもしれません。
是非、忙しい大人たちに読んで頂きたい。
本書を読んで物足りないと思ったら、海でも山でも森でも、近場の公園でも、
とにかく出かけちゃうのが一番です。
センス・オブ・ワンダー」はどこにでもあふれているはずなので、十分補足してくれると思います。

 

自然の神秘に目を向けて「知る」ことより「感じる」ことの大切さを説くカーソン。
多くの人にカーソンのメッセージが届けばいいなと思います。

 

本書だけでも十分ですが、他のカーソンの著書を読んだうえで本書を読むと、
よりカーソンが何を言いたかったのかが理解できるような気がします。
「潮風の下で」はまだ読んでいないのですが、他の著書は専門的な話しが多い割りにどれも興味深く、
読みやすく、面白く、また考えさせる作品ばかりです。
勿論、カーソンのまわしものではありません(笑)

 

夏休みも近い事ですし、「センス・オブ・ワンダー」を磨くのもいいんじゃないでしょうか。

 

なんて言いながら、悲しいかな自分のなかに「センス・オブ・ワンダー」が
無くなりつつあるのを感じます。
はやく自然に紛れ込んでメンテナンスしないといけませんねえ。

 

もっとも駅ビルの八百屋でクワガタが売られているようじゃ、磨きようもないって話しもありますが。
(今日見かけたもので。。。)



まずは夏休み、とれるといいなあ。。。。。。ガンバロっと。