「空の中」に比べ全体の展開が賑やかです。
横須賀の米軍基地で行われていた桜祭りを突如巨大な甲殻類の大群に襲われる。
二人の海上自衛官は逃げ遅れた13人の子供と共にやむなく潜水艦「きりしお」に避難する。
警察を主力とする防衛、警察と自衛隊との縄張り争い、現場と後方とのせめぎあい、米軍との駆け引きなど実際に起こりえるであろう事態とともに、救出を待つ潜水艦内で起きる様々な人間模様が描かれている。
横須賀の米軍基地で行われていた桜祭りを突如巨大な甲殻類の大群に襲われる。
二人の海上自衛官は逃げ遅れた13人の子供と共にやむなく潜水艦「きりしお」に避難する。
警察を主力とする防衛、警察と自衛隊との縄張り争い、現場と後方とのせめぎあい、米軍との駆け引きなど実際に起こりえるであろう事態とともに、救出を待つ潜水艦内で起きる様々な人間模様が描かれている。
大人のライトノベル、というのは正しい表現だと思います。
登場人物のキャラクター、言動などはマンガっぽい。
海上自衛官の実習幹部、夏木大和三尉、冬原春臣三尉は有川作品ファンにはお馴染みと思われるキャラ設定。
子供たちの主要キャラの設定もうまく配役されている。
圭介(15才)と、唯一の女性、望(17才)との繰り返される衝突にはちょっと子供っぽすぎて気にはなりましたが、(中学一年と高校一年くらいの設定が一番合っているような・・・)ケリのつけ方を考えるとこの年齢じゃないときつくなるから仕方がないんでしょう。
登場人物のキャラクター、言動などはマンガっぽい。
海上自衛官の実習幹部、夏木大和三尉、冬原春臣三尉は有川作品ファンにはお馴染みと思われるキャラ設定。
子供たちの主要キャラの設定もうまく配役されている。
圭介(15才)と、唯一の女性、望(17才)との繰り返される衝突にはちょっと子供っぽすぎて気にはなりましたが、(中学一年と高校一年くらいの設定が一番合っているような・・・)ケリのつけ方を考えるとこの年齢じゃないときつくなるから仕方がないんでしょう。
「海の底」という題名のわりに海の底の話はほとんど出てきませんが、実は望や翔、そして圭介の心の中の状態を表しているのではないかと思いました。
考えすぎでしょうが、それぐらい心理描写に力を込めているように思います。
大人のエゴが子供たちを傷つけている状況は考え物です。。。
考えすぎでしょうが、それぐらい心理描写に力を込めているように思います。
大人のエゴが子供たちを傷つけている状況は考え物です。。。
巨大甲殻類に関してはでっかい網を用意して焼いちまうのはどうか、熱湯に入れちゃえとか食べる事しか頭になく、子供以下の貧弱な考えしか浮かばない自分にダメ出ししつつどう解決するの?と思っていたが割りとあっさり解決しちょうのだね。もう少しその辺の攻防が欲しいと思ったけど、本筋じゃあないんですよね、きっと(笑)
気になった言葉をひとつ。潔し。
「次に同じようなことがあったら今より巧くやれるようになる。
そのために最初に蹴つまずくのが俺たちの仕事なんだ」(by 滝野)
そのために最初に蹴つまずくのが俺たちの仕事なんだ」(by 滝野)
恋愛パートも控えめで、全体的にはこんな展開、好きだなあと思いながら大森望さんの解説を読んでびっくり。
この本を楽しめた人は「深海のYrr」やジョン・ウィンダムの「海竜めざめる」もお奨めと書いているではないか!
ジョン・ウィンダムの「海竜めざめる」は星新一が翻訳している作品で、最近入手したばかり。未読なので期待大。
「海の底・前夜祭」という作品も併載されています。
これは夏木、冬原が上陸禁止令を喰らった原因になった騒動の顛末が描かれています。そしてこれがあったからこそ、「海の底」の物語が成立するんですよね。