吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

地球礁 ::R.A.ラファティ

「宇宙舟歌」が面白かったので調子に乗って読んだが、若かりし頃にもらったパンチをまたまた
喰らった感じです(笑)

 

この作品にはわりと詳細なあとがきがついていて、それ自体が全てを物語っているような気がしますが
そこからラファティを表現するわかりやすい言葉がたくさんあったので抜粋引用します。

 

 「アメリカSF界でもっとも独創的な作家」
 「世界には一人のラファティしかいない」
 「ラファティはSFの枠を超えた存在だ、と一言言えばいい。だが、問題はそこからはみ出したとして
  どこにも持っていく先がない。」

 

褒め言葉のようなそうでないような(笑)
本作はこれらの評価をある意味裏付けるものとなっているように思います。
この作品をわかりやすくまとめることは今の自分にはできそうもありません。

 

と言いながらあえて強引にまとめると
地球への巡礼者であり、プーカ人のデュランティ一家が地球という名の暗礁に乗り上げた話しである。
プーカ人の子供たち7人は(ひとりは幽霊になっている!)、地球に暮らしながら地球人を全て
抹殺してしまおうと計画しているのだ。
で、殺し方が意味不明の「バガーハッハ詩」を使い、そのうえ殺す精度があまり高くないという脱力もの。
結局なんだかんだで地球に馴染んでいるような?

 

説明になっているのかは不明だが、、、、これが限界です。。。
いっぱい人が死んでいるのにあっさりしていてのんびりしていてSFっぽくない。
大体、他の世界から地球にやってきたプーカ人の背景に関する説明が全く無いので
本当に地球外から来てるのかもわからなくなってくる。
説明が無いのはラファティのスタイルでもあるので読み取り不足もあるでしょうけど。。。

 

あくまで個人的な印象ですが、途中、ブローティガン「西瓜糖の日々」を読んだ時に感じた
「死」に対する感覚と同じ部類の何かを浮かべていました。(抽象的だなあ)
解説を読むとラファティを理解するには色々な知識(アイルランドのことや宗教の事)がある程度
必要なんだと痛感します。
理解しきれていないにもかかわらず嫌いにもなれない作品ですが、やっぱり「宇宙舟歌」のほうが
わかりやすくて好きです。




表紙の絵は、ジェームズ・アンソールという人の「陰謀」という作品らしいがインパクトがあって
この作品にマッチしています。
画像を載せずに不親切ではありますが。。。申し訳ございません。