著者:木皿泉
出版社:新潮社
児童書のような短編集ように見えるが、人間の持つ毒を描きながら赦しと癒しをも描く連作集となっている。
相変わらず普通の言葉で紡がれる物語ではあるが、ちょっと違うテイスト。
心の奥にある闇の描写は気持ちのいいものではないが、SFっぽさがあることで軽減されている。
時にン?と思うようなセリフや状況があり、何度か読み返して納得するもいまだに引っかかっている点はあるが、
最後まで読むと「Q10」をはじめ他の作品たちと通底するメッセージを感じとれる。
2019/4/5読了