吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

ハロー・ワールド

著者:藤井太洋
出版社:講談社

 

自称何でも屋のエンジニア文椎(ふづい)をメインに描かれるほぼ現在と少し先を描くテクノロジー連作短編小説。
人との繋がりを重視して信頼できる仲間たちと共にやや熱い正義感で動く文椎が格好よく羨ましい(笑)
AmazonのドローンやGoogleカーなどが登場し現実に起きそうな事態を描く「行き先は特異点」とTwitterの中国進出(あくまで小説。今のところ)に危機感を覚えてMastodonをカスタマイズする「巨像の肩に乗って」が面白かった。

素早い行動力と展開の爽快感はなかなかなものだった。

 

小説なんだけどとてもリアルで現在のテクノロジーに興味がある人には是非お勧めしたい。「行き先は特異点」は数日前に過去になってしまっているけれどプログラミングやテクノロジーに多少の知識がある人には面白く読めるでしょう。プログラミングを始める時や新しい言語にチャレンジするときの第一歩が "Hello world"。

新しい世界が開かれていく仄かな躍動感と希望を感じていたい。

 


2019/4/11読了