著者:山尾悠子
編集:今野裕一
装幀:ミルキィ・イソベ + 安倍晴美
人形・写真:中川多理
発行:ステュディオ・パラボリカ
収録作品が3篇+後記、中川多理が人形を添え、川野芽生が解説し
薔薇色の装幀で箱入りのまさにアートと呼べるコラボ作品。
少し離れたところにいた相方から「何その本は?」と
声をかけてくるくらい全てのページが薔薇色なので電車などでは読みにくいが
山尾悠子はそもそも集中しないと理解不能になりやすいのでそれも良し。
「夢の棲む街」と「漏斗と螺旋」に関しては既読だが、
本書を全て通して読むことでこの独特な世界観がより具体的に浮かび上がってくる。
人形の写真がきっちりとリアルに補足してくれる。
今まで決して山尾作品を理解できていたとは思えず、
歯痒い感覚を覚えながらそれでも魅了されてきたが、
ようやく、僅かばかりでも山尾悠子の世界観に入り込めた気がする嬉しさよ。
「夢の棲む街」が二十歳の頃に書かれているというのは今でも信じられないが、
才能というのは生まれながらにして授かっているものなのだろうか。。。
●収録作品
「薔薇色の脚のオード」
「夢の棲む街」
「漏斗と螺旋」
●解説
「薔薇色の、言葉と肉」:川野芽生
『新編 夢の棲む街』 後記:山尾悠子